最大25%の株価大暴落!MSCI指数の除外売りで暴落した銘柄まとめ(2021年5月~7月)

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2021年5月12日(水)の朝に発表されたMSCI銘柄の定期入れ替えを受けて、MSCI指数から除外された29銘柄の内、最終的に5月27日(木)のリバランスまでに最大25%の大暴落を記録した銘柄もあったので、忘備録として値動きが気になった銘柄をまとめてみる。

目次

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モルガン・スタンレーの「MSCI指数」とは何か?

■MSCI指数とは?

MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する指数の総称。先進国、新興国、フロンティア市場(経済発展の初期段階にある途上国)合わせて約70カ国・地域の株式市場をカバーしている。代表的な指数として、先進国と新興国の大型株、中型株から構成されるMSCI All Country World Index(ACWI)、先進国の大型株と中型株から構成されるMSCI World Indexなどがある。多くの機関投資家や投資信託のベンチマークとして採用されている。

引用元 野村証券

■2021年5月のMSCI指数で除外が公表された29銘柄は以下の通り

イオンモール、エア・ウォーター、アルフレッサ ホールディングス、アマダ、京都銀行、カルビー、中国電力、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス、ふくおかフィナンシャルグループ、日本空港ビルデング、京阪ホールディングス、京浜急行電鉄、クラレ、九州電力、九州旅客鉄道、丸井グループ、名古屋鉄道、日本特殊陶業、セガサミーホールディングス、西武ホールディングス、しまむら、新生銀行、サンドラッグ、スズケン、太平洋セメント、帝人、東急不動産ホールディングス、豊田合成、山崎製パンの29社。

 

毎年2月、5月、8月、11月にMSCIインデックスの見直しが行われ、特に銘柄の入れ替えが多い5月と11月のMSCIが要注意!MSCI指数から除外された銘柄は大きく株価が下落することがあり、今回のリバランスでは日本株全体で5,900億円程度の資金流出が起こると見られている。

 

■MSCI除外銘柄の特徴

①MSCI除外銘柄は2~3か月で平均20%~30%株価が下落する。
②銘柄によっては株価が50%以上暴落する(半年~1年程度で)
③MSCI除外銘柄は前年より増収・増益・増配でも6か月以上、株価が下がり続ける。
④MSCI除外銘柄は半年~1年以上、年初来安値更新が続くことがある。
⑤MSCI除外銘柄は半年~1年経っても株価が戻らないことが多い。

【注意】MSCIから除外された銘柄は機関投資家がポートフォリオから外すため、数か月単位で株式を売却してくるので、MSCI除外銘柄を現在保有中、または購入予定の場合は①~⑤を想定して取引したほうがいい。

2021年5月のMSCI除外で下落率が最も高かった銘柄群

・京都銀行(8369)-550円(-9.35%)、MSCI除外前より−1,000円(−16.5%)の暴落。
・京阪HD(9045) -315円(-8.35%)3年ぶりの安値を更新、半年後の株価は−1,312円で下落率は−34.76%
・九州電力(9508)-83円(-8.19%)、最終的に−143円(約−14%)の暴落。
・丸井グループ(8252)-164円(-8.02%)
・中国電力(9504)-93円(-7.49%)8年ぶりの安値を記録
・日本空港ビルデング(9706)−290円(−6.17%)
・名古屋鉄道(9048)-291円(-11.52%)6年ぶりの安値を記録、MSCI除外から約半年後の株価は1,650円で下落率は約−34.60%

京阪HD(9045) -315円(-8.35%)3年ぶりの安値を記録

京阪HDは大阪を中心とした関西での新型コロナの変異種(デルタ株)の猛威を受けて、3月18日頃から27%以上暴落。2021年5月11日(火曜日)には年初来安値付近の3,770円を付けていたのだが、MSCI指数の除外発表後はそこから更に下落して前日比−300円(−7.95%)の株価3,470円で取引を終了。

■2021年3月~8月 京阪HDの株価は約半年間で約43%下落

京阪ホールディングスは3月18日(木)の時点で5,210円あった株価が約2か月で3,260円(約−38.48%)まで低下、そして約半年後の8月末には株価が3,000円を割り込み一時2,855円(-43%)まで株価が下落。

京阪ホールディングスが2021年11月9日に発表した4月~9月期(業績)の第2四半期決算では、最終損益が19億円の黒字予想(前年同期は63億円の赤字)を出しているが、株価は2,900円~3,200円と低迷している。

 

■2021年11月 京阪HDの株価は約7か月半で約53%下落

京阪HDは3月頃の5,200円から株価が下落し始め、5月12日に3,800円(−27.63%)でMSCIから除外。8月に約2,850円(−45.18%)でいったん底打ちした後、11月下旬に再び下落して年初来安値を更新。

11月29日(月)には南アフリカで変異した新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急拡大を受けて、全世界を対象に外国人の入国を1か月間禁止すると発表。これを受けて京阪HDの株価は2日間で12%の暴落。2,500円を割って更に年初来安値更新。

2021年11月29日(月)時点の値動きで京阪HDの株価は、3月の高値から約7か月半で−53.20%暴落となっている。

九州電力(9508)は1日で株価が-83円(-8.19%)下落

九州電力(9508)はMSCI指数の除外を受けて前日比−81円(約−8%)で取引を終了。九州電力は4月30日の決算発表で35円→40円の年間5年の増配を発表。2022年3月期の業績予測もEPS(1株当たりの純利益)が約90円(前期63円)と、電力会社のなかでも結構良い決算発表を出してるのだけど

株価は前日の終値である1,013円→932円(−7.99%)に下落、中国電力も前日比−97円(−7.81%)の2013年3月以来の約8年ぶりの安値を記録。最終的に九州電力は5月11日(火曜日)→7月9日(金曜日)の約2か月間で1,013円→824円(約−18.5%)の下落、中国電力も1,241円→1,000円(−19%)まで下落した。

MSCI除外から約半年で九州電力の株価は約22%下落

5月のMSCI除外から半年が経過した九州電力の株価は、サプライチェーンの混乱による原油、石炭、LNG(液化天然ガス)の高騰や円安の影響で、2021年10月29日(金)の第2四半期決算を控えた九州電力の株価は800円の大台を割り込み、株価が一時的に791円(年初来安値更新)まで下落した。

この日は東京電力の決算発表で「通期業績予想が燃料費の高騰で740億円の黒字→130億円の赤字」に下方修正した影響で電力株が軒並み下落。東京電力は2日間で株価が約10%下落、中部電力は第2四半期決算の発表翌日に1日で約7.5%下落するなど、九州電力、中国電力、東北電力、北陸電力、中部電力の5社が年初来安値を更新するような惨憺たる内容。

九州電力の下落率はMSCI除外前日である5月11日(火曜日)から半年間で約−21.91%で、中国電力も同期間で株価が約25.01%下落した。

MSCI指数の除外で約25%の大暴落を引き起こした名古屋鉄道(9048)

モルガン・スタンレーのMSCI指数の除外を受けて一番大きく株価が下がった銘柄が名古屋鉄道(9048)であり、名古屋鉄道の株価は5月12日の一日だけで前日比−281円(−11.12%)の大暴落を引き起こした。

株価の推移としては
・前日終値2,525円(−35円)
・始値 2,290円
・最安値 2,222円
・終値 2,244円(−281円)といった感じで推移。

名古屋鉄道は前日に決算発表をしており、2021年3月期の決算は新型コロナの影響で連結営業損益が164億円の赤字(前期は474億円の黒字)に落ち込んだものの、2022年3月期は130億円の黒字予想。

2022年3月期の決算(予想)は新型コロナの影響で鉄道各社の決算はそれほど良くないものの、黒字転換であれば+1.6%~+2.3%程度は上昇するはずだが、MSCI指数の除外で−8%の合計11%超の下落をした感じ。

その後も名古屋鉄道の株は売られ続け、−281円(−11.12%)の大暴落を起こした2021年5月12日(水曜日)の翌日も−125円(−5.57%)の下落。これにより名古屋鉄道の株価は除外発表からたったの2日間で約16.69%(−406円)の大幅下落を記録した。

 

最終的に名古屋鉄道の株価は5月25日(火曜日)に1,900円を少し割ったところで底打ち。MSCI指数除外発表前の2,525円(5月11日/火曜日)から比較すると10営業日で約−625円(−25%)株価が下落したところでようやく下げ止まった。

※名古屋鉄道は2021年4月~5月の2か月間で約36%(2,800円→1,900円)株価が下落した。

その後の名古屋鉄道(9048)の値動き その①(約3か月後)

5月25日(火曜日)に約1,900円(1,897円)で底打ちした名古屋鉄道の株価はその後反転。6月に入り日本国内で新型コロナのワクチン接種が大幅に進んだ(1日20万回→最大100万回)ことにより、鉄道や航空株が大きく上昇。2021年6月9日(水曜日)には株価が2,300円台に一時回復。1,900円→2,300円までの上昇率は約21%(+400円)となった。

 

しかし名古屋鉄道は6月9日(水)に2,300円の窓を埋めた後に下落、オリンピックの無観客試合決定や、4回目の緊急事態宣言の発令などで7月20日(火曜日)には1,904円の値を付け、約1か月で再び16%以上(約400円)の下落。

更には7月31日(土)には、オリンピック開催の影響で東京の新型コロナ新規感染者人数が4,058人(前週比+4倍)と過去最多を記録、前日である7月30日(金)の日経平均は第1四半期決算決算前の売りと重なり前日比−498円(−1.8%)の27,283円で約7か月ぶりの安値を記録。

そして名古屋鉄道の株価は東京での新型コロナ新規感染者数が5,042人を記録した8月5日(木)に1,800円(終値 1,797円)を割り込み年初来安値を更新(MSCI指数除外前日からの下落率 28.97%)、この日は名古屋鉄道、京阪HD、京浜急行、近鉄HD、小田急、京王など私鉄各社を中心に6月の高値から17~18%下落し、年初来安値を更新する銘柄が続出した。

名古屋鉄道(9048)の株価が約25%も大暴落した理由

名古屋鉄道の株価が大暴落した理由は単純に「売買銘柄の流動性の低さ」が問題といわれている。

流動性の高い銘柄(買い手が多い銘柄)だとMSCI指数から除外されても、株価の下落率が8%前後で収まっているが、名古屋鉄道などもともと流動性の低い銘柄は機関投資家の継続売りに耐えられず、保有株式の放出が終わるまで一方的に、株価が下げ続けてしまったのである。

その後の名古屋鉄道の値動き その②(約半年後の値動き)

2021年5月のMSCI除外から約半年が経過した11月の名古屋鉄道(9048)の株価は、−34.60%下落の1,650円を記録して年初来安値を更新。

 

名古屋鉄道の株価は10月にかけて1,800円→2,150円と、株価が底値から一時的に約19%上昇する場面もあったが、11月末に南アフリカで新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が発見されると再び1,800円の年初来安値を割り込み1,650円まで下落。

MSCI除外から半年が経過した名古屋鉄道の株価の下落率は約−34.60%(11月29日時点)と、名古屋、近鉄、京浜、京阪など私鉄各社は11月の1か月間で株価が平均12%以上下落しており惨憺たる状況。

2021年11月29日(月)は東証一部上場全2,184社のうち、約4分の1にあたる532社が年初来安値を更新という、11月は日本株のパフォーマンスが本当に酷かった。

2021年11月 東邦瓦斯(9533)は約43%の暴落

2021年11月12日(金)に行われた今年2回目のMSCIでは、ガス会社の東邦瓦斯(9533)が指数から除外され、9月24日から11月9日の約1か月半で株価が5,500円→3,150円の約43%暴落した。

2021年の東邦瓦斯はLNGや燃料価格の高騰でガスセクター全体が短期間で15%以上暴落するような相場だったのだが、それでもMSCIの除外対象になっていた東邦瓦斯は直近の高値から43%以上の大暴落と、セクター全体の平均よりも更に28%前後下落するので、MSCIの対象銘柄を保有する場合は、かなりリスクがあることを注意したい。

【追記】東邦瓦斯が他のガス会社より大暴落した理由としては、東邦瓦斯は2020年3月のコロナショック後からかなり株価が上昇しており、今回はその反動で大きく暴落してしまった可能性があるらしい。

MSCI指数除外の損失をできる限り回避する方法

■MSCI除外発表の約3週間くらい前に他の証券会社から予想が発表される

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルがMSCI指数からの除外銘柄(全29銘柄)を公表したのが5月12日(水曜日)の早朝であったが、いくつかの銘柄はSMBC日興証券が4月21日(水曜日)に予測を発表していた。

■SMBC日興証券では、12銘柄が除外され、採用はなしと予想(4月21日)

グローバル運用を行う投資家のベンチマークとして使用されるケースが多いMSCI指数は毎年5月と11月に構成銘柄の定期見直しを行っている。
5月12日の早朝に変更内容が好評される予定。
MSCI指数に連動するファンドは、5月27日の引けでリバランスを行う必要がある。
SMBC日興証券では、12銘柄が除外され、採用はなしと予想している。

除外候補銘柄はインパクトの大きい順に、京浜急行(9006)、山崎パン(2212)、帝人(3401)、コカコーラジャパン(2579)、ふくおかFG(8354)、豊田合成(7282)、日本特殊陶業(5334)、カルビー(2229)、JR九州(9142)、太平洋セメント(5233)、西武(9024)、しまむら(8227)。

SMBC日興証券がMSCI指数からの場外銘柄の予想を発表した時は、ほとんど株価に影響がなかったと記憶しているが(全銘柄を調べた訳ではないが)、SMBC日興証券の予想は全部当たっていた。

もしMSCI指数の除外対象銘柄に入っていたら長期保有のつもりでも一時的に持ち株を売却したり、同数の株を空売り入れたりしてリスクヘッジをするといいでしょう。(そうすれば損失を多少は回避できる)

 

【追記】2021年11月12日(金)に実施された今年2回目のMSCI指数の銘柄入れ替えでは、10月20日の時点で大和証券が予想を出しており、約3週間前にはMSCIの除外候補(予想ではあるが)が判明する。

大和証券ではMSCIの採用銘柄の入れ替えで、ピジョン <7956> 、THK <6481> 、ペプチドリーム <4587> 、久光製薬 <4530> 、東邦ガス <9533> 、東北電力 <9506> 、日本ハム <2282> 、カシオ計算機 <6952> 、ヤマダホールディングス <9831> 、日本精工 <6471> 、ユナイテッド・アーバン投資法人 <8960> 、エービーシー・マート <2670> 、ナブテスコ <6268> 、ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> 、スタンレー電気 <6923> 、三菱ガス化学 <4182> 、綜合警備保障 <2331>の17社の除外を予想。

【追記】このうち、スタンレー電気、三菱ガス化学、綜合警備保障の3社は2021年11月のMSCIでは除外されなかった。

MSCI指数から除外された銘柄の下落には2パターンある

2021年の5月と11月に行われたMSCIの除外では、銘柄の値動きが明確に違っていたのが非常に興味深かった。

①MSCIの除外発表後に株価が大きく下落するパターン

2021年5月のMSCIの銘柄入れ替えでは、九州電力のようにMSCI指数の除外発表後に窓を開けて株価が下落する銘柄が多かったのに対し

 

②MSCIの除外発表当日に向けて株価が大きく下落するパターン

2021年11月のMSCIでは、東邦瓦斯のようにMSCI指数の除外に向けて株価が下落して、発表当日は株価が上昇する銘柄が多かった。(5月のMSCIでは発表当日に株価が平均7~8%下落したのに対し、11月のMSCIは平均1~4%上昇して取引を終了、なかにはぺプチドリームのように前日比+12%以上上昇した銘柄もあり、明らかに5月と11月で発表当日の値動きが違った。)

当然、全部の銘柄が同じように動くとは限らないのだが(日経平均の値動きによっても変わってくる可能性がある)、基本的にMSCI指数の除外では「①MSCIの除外発表後に株価が大きく下落する」か「②MSCIの除外発表当日に向けて株価が大きく下落する」の2パターンで株価が下落すると思って投資戦略を立てると、大きな損失を回避できるかも知れない。

例外的にMSCI除外の材料出尽くしで上昇するパターンもある

2021年11月12日(金)に行われたMSCIの除外では、ペプチド―リム(4587)MSCI除外発表後に株価が10%近く上昇。MSCIから除外されても例外的に「材料出尽くしにより株価が上昇するパターン」もあるようで、空売りを仕掛ける場合、大きく下げ過ぎた銘柄はMSCI発表の前日までにはポジションを手仕舞いしたほうがいい時もある模様。(※さすがに3~4か月で株価が50%以上暴落したような銘柄は、MSCI除外発表当日に買いが入るみたい)

ただしぺプチドリームは7月の5,500円からMSCIに向けて▲54%近く大暴落した後の+10%反発なので、たまたま運良く大底を拾えれば儲かるかも知れないが、リスクに対してリターンが見合ってないので、リスク承知の短期売買以外は絶対に買いで入らないほうがいいです。

【まとめ】最大25%の株価大暴落!MSCI指数の除外売りで暴落した銘柄

2021年5月のMSCI指数の入れ替えでは、5月12日(水曜日)に除外発表で対象銘柄が暴落、5月27日(木曜日)にリバランス売りが行われたのだが、リバランス売りが完了する2~3日前(今回の場合は5月24日(月曜日)~5月25日(火曜日))に底打ちして反転する傾向がある。

 

ただ、この株価の反発も一時的で、MSCI除外銘柄は6月に入ると再び下落トレンド入り→7月上旬に実施される日経ETFのリバランス売りが終わるまで売られ続け、更には7月末の第1四半期決算シーズンに向けて年初来安値を更新する銘柄が非常に多かった。

MSCI指数の除外売りで大きく値下がりした銘柄を反発狙いで購入する場合は、「短期売買ならすぐに利確」「長期保有なら除外売り完了後も下がり続ける(年初来安値更新)」ことを念頭に置いて取引をしたほうがいい。

※5月中旬から7月下旬の日経平均のレンジは27,300円~29,400円で横ばい、NYダウは33,600~35,000ドル(史上最高値更新達成)でやや上昇トレンド。

 

今回のMSCI指数除外から得られた教訓としては

■MSCI除外銘柄の特徴

①MSCI除外銘柄は2~3か月で平均20%~30%株価が下落する。
②銘柄によっては株価が50%以上暴落する(半年~1年程度で)
③MSCI除外銘柄は前年より増収・増益・増配でも6か月以上、株価が下がり続ける。
④MSCI除外銘柄は半年~1年以上、年初来安値更新が続くことがある。
⑤MSCI除外銘柄は半年~1年経っても株価が戻らないことが多い。

2021年の5月12日(水)~7月30日(金)の世界の株式相場は、NYダウやS&P 500は史上最高値を連日更新(7月26日(月)に35,144ドルを記録)するような良地合いであったが、日本株は新型コロナの新規感染者人数の増加と、中国株・香港株の暴落(ハイテク銘柄への規制強化&営利目的の学習塾関連の運営を完全禁止)と、約2か月間で29,518円→27,283円(−7%)の下落。

 

MSCI指数の入れ替えは毎年、2月、5月、8月、11月に行われ、特に5月・11月に機関投資家の大きな組み換えがあり株価が2か月以上下落し続けることもあるので、MSCI指数の除外対象銘柄を買おうと思っている場合は、次の決算シーズンまで下がり続けることを前提に株式を購入(戦略を立てる)したほうがいいです。

【5か月後】最大25%の株価大暴落!MSCI指数の除外売りで暴落した銘柄のその後

5月にMSCI指数の除外売りが行われたから5か月が経過、日経平均は8月20日のトヨタショック(生産台数 4割減産発表)で27,000円(年初来安値更新)を一時的に割った後、約3週間後の9月13日に30,670円(+3,407円/年初来高値更新)+12.5%の大暴騰を達成した。

 

海外からの資金流入による地合いの転換で、日本株全体が上昇するなかでもMSCI指数除外銘柄の値動きはぱっとせず、低迷したままの企業が多かった。

 

なかには商品価格の値上げ(菓子パンなどの商品7%値上げ発表)が好感され、山崎製パンのように底値から30%以上上昇した銘柄(食品セクターの銘柄は商品価格の値上げ効果で全体的に買われてる印象、カルビーも底値から20%上昇した)もあるが、10社中8社は下落後の株価のまま横ばい傾向の銘柄が占めていた。

MSCI指数除外銘柄を大底で買うことができれば平均8~10%くらいの含み益が確保できるが、毎回、底値で株を買うなんて無理なので狙うべきではない。配当目的で長期保有するならMSCI指数除外銘柄を買うのも選択肢としてありだが、株価の上昇によるキャピタルゲイン目的でMSCI指数除外銘柄を買うのは非常に効率が悪いので、あまりお勧めはできないと感じた。

 

■続き→2021年11月にMSCIから除外された銘柄の1か月後の値動きをまとめてみた

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