2021年11月にMSCIから除外された銘柄の1か月後の値動きをまとめてみた

ブログ

目次

スポンサーリンク
スポンサーリンク

2021年11月にMSCIから除外された銘柄の1か月後の値動き

MSCI指数とはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が提供する指標の一つで、これが機関投資家や投資信託が企業に投資する際のベンチマークとして使用されている。

■MSCI指数とは?

MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する指数の総称。先進国、新興国、フロンティア市場(経済発展の初期段階にある途上国)合わせて約70カ国・地域の株式市場をカバーしている。代表的な指数として、先進国と新興国の大型株、中型株から構成されるMSCI All Country World Index(ACWI)、先進国の大型株と中型株から構成されるMSCI World Indexなどがある。多くの機関投資家や投資信託のベンチマークとして採用されている。

引用元 野村証券

このMSCI指数から企業(銘柄)が除外されると、機関投資家などの売却によって株価が平均20%~30%近く暴落するので、MSCIに採用されている銘柄は毎年5月と11月の入れ替え時期に、銘柄が除外されないか注意しないといけない。

2021年11月にMSCIから除外された日本の銘柄は15社

2021年11月12日(金)にMSCIから除外発表された銘柄は以下の通り。

「エービーシー・マート」「アコム」「カシオ計算機」「ハーモニック・ドライブ・システムズ」「久光製薬」「ナブテスコ」「日本ハム」「日本精工」「ペプチドリーム」「ピジョン」「THK」「東邦ガス」「東北電力」「ユナイテッド・アーバン投資法人」「ヤマダホールディングス」

新規にMSCIに採用された銘柄は「ベネフィット・ワン」「オープンハウス」の2社になる。※MSCIの入れ替えは日本時間の午前7時~8時くらいに判明する。

2021年5月と11月の銘柄入れ替えでは株価の値動きに大きな違いがあった

2021年5月に東急不動産や九州電力、西武ホールディングスなど29社がMSCIから除外された時は、九州電力のように除外発表後に窓を開けて、2~3か月で株価が最大20%~25%下落する銘柄が多かったが。

 

2021年11月のMSCI除外発表ではぺプチドリームのようにMSCI除外発表の3~4か月前から株価が下がり始め、11月の除外発表で株価が一番底を付けるという、5月とは全く違う値動きをしたのが大変興味深い。

※2021年11月のMSCI除外発表では事前に情報が洩れてたのではないかと思えるほど、約9割の銘柄が↑のような同じ値動きをした。

【7956】ピジョンは約3か月で株価が26%下落

哺乳瓶やベビーカーなど育児用品で国内や中国のシェアが高いピジョンは、9月9日前後から株価が下がり始め、MSCI除外の11月12日までに株価が約26%下落した。ピジョンは第3四半期決算の発表で株価チャートが窓を開けているが、MSCI除外発表前後はほとんど株価が動かなかった。

 

【9533】東邦瓦斯は約2か月で株価が46%下落

東邦瓦斯は9月24日からMSCI除外後の約1か月で株価が約5,500円→約3,000円まで暴落。

この年は天然ガスの価格上昇による収益悪化懸念で、ガスセクター全体が2~3週間で30%近く株価が暴落。主に福岡が経営地盤の西部ガスはLNGの購入価格高騰で24%増益予想から90%の減益へ転落するなど、東邦瓦斯もこのガス価格の高騰が影響して株価が約2か月で最大46%暴落した。

2021年11月にMSCIから除外された銘柄のなかでは、東邦瓦斯の下落率が一番高かった。

【9831】ヤマダホールディングスは約8か月で株価が約39%下落

家電量販店のヤマダ電機で有名なヤマダホールディングス(9831)の株価は、MSCI除外前後の約8か月で株価が約39%の下落。月足はほぼ10か月連続下落チャートを形成。

 

コロナ給付金と在宅ワーク需要の反動で2021年は減収・減益ではあったが、業績はそこまで悪くないのに株価が624円→371円(約39%)下落。2022年3月9日時点の株価は371円(年初来安値)で、ヤマダホールディングスの年間配当は配当18円+株主優待15円相当(合計33円)で株主優待も含めると実質配当利回りが約8.89%。

 

ヤマダホールディングスの株はこんなに高配当なのに2022年5月6日(金)の決算発表で上限1,000億円、約2億株の自社株買い(発行済み株式数の約23.9%)を発表するまで株価は底辺をさまよっていた。

【4530】久光製薬は約8か月で株価が51%下落

久光製薬は3月30日の高値 7,750円から12月3日の安値 3,800円まで約8か月間で株価が51%下落。久光製薬は前年より増収・増益・増配、10月の第2四半期決算では自社株買いを発表したのに年初来安値を更新するなど悲惨な状況。

久光製薬はMSCIの除外が株価下落にどの程度影響を与えているのかちょっと判断しずらいが、8か月以上下落トレンドが継続している。

【3401】帝人は約6か月で株価が30%下落

帝人は2021年5月にMSCIから除外された銘柄だが、久光製薬と同じように前年より増収・増益・増配(年間配当50円→55円)なのに株価が12月1日まで下落し続け、MSCI除外から約半年で株価が1,900円→1,300円まで約30%(−600円)下落した。

帝人の株価がここまで下落した原因を考察すると、下落トレンド中は機関投資家の買いが入らないので、受給のバランスが崩れると想定以上に株価が下落することがある。ここに11月~12月中旬は損失確定(利益相殺)のための売りが入ってくるので、11月に下げ幅が加速したと思われる。

トレンド転換を確認せずにこういった銘柄を買うと本当にひどい目に会うので、下落トレンド中の銘柄は極力買わないほうがいいです。※買うなら12月以降の値動きを見てからのほうがいい。

【6481】THK  MSCI除外後に上昇トレンド転換した数少ない銘柄

工作機械や半導体製造装置などに用いられる直動案内機器で世界シェア5割超を誇るTHKは、2021年8月5日の第2四半期決算で前年比売上高+46%と、コロナショック後の▲33億の赤字から+75億円の黒字へと良決算を発表したのだが、期待より決算内容が悪かったのか株価が3,200円→2,900円へ窓を開けて下落。

その後、8月20日に2,400円の一番底を付けると次の決算まで株価がBOXで推移。THKは2021年11月11日の第3四半期決算で120億円の自社株買いを発表すると、MSCI除外当日は窓を開けて上昇。

THKは半導体関連銘柄ということで底が固く(2021年は半導体不足による商品価格の高騰で半導体関連銘柄は好調だった)、MSCI除外前から株価も結構下がっていたので、悪材料出尽くなのか、MSCI除外発表から1か月が経過した現在でも上昇トレンドを維持している。

【3288】オープンハウスはMSCIに新規採用後、株価が21%下落

東京23区内など都心部で戸建て分譲の不動産業を行っているオープンハウスは、2021年11月のMSCIで新規に採用された会社の一つ。オープンハウスは8月の底値から株価が最大59%上昇したが、MSCIに採用されてからは約1か月で株価が約12%下落。※11月1日の年初来安高値からは約16%下落。

MSCI採用から1か月後の株価チャートは日足の65日線を割り込み、現在は下落トレンド入り。MSCI採用から約3か月後の株価は5,640円で、下落率は約21%(※2022年1月27日時点)となっている。

【2412】ベネフィット・ワンは株価が半年で最大70%以上の暴落

ベネフィット・ワンは官公庁や企業の福利厚生・健康診断などの運営代行サービスが主な事業。2021年11月のMSCIで新規に採用された銘柄の一つ。パソナグループ傘下の企業。

ベネフィット・ワンは11月12日のMSCI採用発表当時に年初来高値の6,000円を記録したが、その後は株価が最高値から約16%下落。現在は日足の65日線を割り込み、これ以上株価が下落すると短期下落トレンド入りしそうな気配がある。

2022年3月期以降も安定して増収・増益・連続最高益を更新する見通しなので、業績が更に伸びれば、再び最高値を更新してくると思われるが、MSCIの新規採用でいったん利確といった感じの値動きになっている。

 

■MSCI採用から約3か月で株価が約43.8%の暴落(約6か月で72%の暴落)

2022年に入ってからもベネフィット・ワン(2412)の株価下落は止まらず、MSCIに採用されてから約3か月で株価が6,000円→3,360円と約43%の暴落。11月にMSCIに採用されたオープンハウスも高値から約21%下落しており現在も下落トレンド継続中。

2022年2月2日(水)に発表された第3四半期決算決算では、経常利益が前年比+37%の好決算なのに翌日の株価は▲7%以上下落して株価が約3,030円(3か月で約50%の暴落)まで下落。

【追記】ちなみに2022年5月12日(木)時点のベネフィット・ワンの株価は一時1,700円を割り込み、MSCIに採用されてからわずか半年で70%以上の大暴落を記録。同時期に採用されたオープンハウス(不動産業)の株価も27%下落しており、株取引は「金利動向」と「相場環境」が全て、MSCI指数なんて何の役にも立たないことが分かる。

 

チャート的に個人投資家をはめ込むためにMSCIに採用したとしか思えないくらいひどい値動き。こんな株価が不安定な銘柄をMSCIに採用するなんて、モルガン・スタンレーの指標ははっきり言ってゴミ。

MSCI除外後に株価が大きく上がる銘柄は10社に1社(確率10%未満)

なかには山崎製パン(2212)のように、底値から最大+34%上昇した銘柄もあるのだが、こういったMSCI除外後に大きく株価が上昇する銘柄は10社に1社程度(確率10%未満)で、しかも高値を取った後に約2か月半で再び年初来安値を更新するという酷い値動きをしている。

正直言ってMACI除外銘柄を買うのはリスクに対してリターンが合わないので、短期売買以外は基本的に買わずに、下落トレンド中に空売りで利益を取るほうが得策。

これは2021年の相場の場合だけど、MSCIから除外されて銘柄は半年以内に株価が戻ることはないと思って取引したほうがいいです。

【まとめ】MSCIに採用されている銘柄は買わないほうがいい

2021年の5月と11月に実施されたMSCIの銘柄入れ替えでは、合計44社の銘柄がMSCI指数から除外され、新規に2社の銘柄が採用されたわけだが、2021年にMSCI指数から除外された銘柄はこういった値動きが特徴的だった。

■MSCI除外銘柄の特徴

①MSCI除外銘柄は2~3か月で平均20%~30%株価が下落する。
②銘柄によっては株価が50%以上暴落する(半年~1年程度で)
③MSCI除外銘柄は前年より増収・増益・増配でも半年以上、株価が下がり続ける。
④MSCI除外銘柄は半年~1年以上、年初来安値更新が続くことがある。
⑤MSCI除外銘柄は半年経っても株価が戻らないことが多い。

 

MACIに採用されてる銘柄は「除外されると暴落リスク」「新規採用はそこが天井の可能性」と、ほぼ全ての銘柄がMSCIの入れ替え後に株価が下がっているので、株取引の経験が豊富な人以外はMSCI除外銘柄を買うのはおすすめできない(初心者にはおすすめできない)

当然、全部の銘柄がこういった動きをする訳ではないが、MSCI指数から除外された銘柄を購入する場合は、①~⑤が起こることを前提とした買いポジションを組んだほうがいいです。

タイトルとURLをコピーしました