■楽天の資金調達額は約1,000億円か?
楽天グループの三木谷社長の話によると、2022年後半から年末を目標に新規上場を目指してる楽天銀行について、2022年5月に発表された同行の決算資料から、楽天銀行上場時(IPO)の「株価」や「時価総額」「年間配当」なんかを予想してみた。
目次
2022年3月期の楽天銀行の業績 1株当たりの純利益は約8,529円
5月13日発表された楽天銀行株式会社の連結決算を読んでみると。
2022年3月期の決算は経常収益 約1,060億円で経常利益 約279億円、純利益 約200億円。楽天銀行の発行済み株式数は約235万株で、1株当たりの純利益は8,529円となっている。
経常利益や純利益は過去5年間右肩上がりで成長、EPSも5年で30%ほど伸びている。
■発行済み株式数は約235万株
東証上場時の楽天銀行の株価は約682円~853円と予想
楽天グループが保有する楽天銀行の発行済み株式が約235万株、これを個人投資家が買いやすいよう100分割(100株単位)したとすると、発行済み株式数は約2.35億株でEPSは約85.29円となる。
■大手都市銀行のPERは約8倍
三菱UFJ銀行、三井住友FG、りそなHDの3社の平均PERがだいたい約8倍なので、これで計算すると楽天銀行の株価は85.29円×8倍=約682円。
新規上場のご祝儀相場でPER 10倍の価格が付いたとすると85.29円×10倍=約853円となる。
・85.29円×8倍=楽天銀行の株価 約682円(100株/68,200円)
・85.29円×10倍=楽天銀行の株価 約853円(100株/85,300円)
株式分割が10分の1だ100株で68万円~85万円と三井住友FGより高い価格設定になってしまうので、おそらく1単元10万円以下で買えるよう分割するはず。
1株当たりの純利益が85円なら、だいたいゆうちょ銀行と同じくらいの利益水準。
楽天銀行の時価総額は約1,600億円~2,000億円
楽天銀行の株価が決定すれば、発行済み株式数から楽天銀行の時価総額が割り出せる。
■楽天銀行の発行済み株式数は約2.35億株
■682円×2.35億株=約1,600億円
■853円×2.35億株=約2,000億円
この辺りが楽天銀行が新規上場した場合の株価と時価総額の目安となる。
親会社である楽天グループの時価総額が2022年5月26日時点で約1.1兆円しかないので、楽天銀行の企業価値を約2,000億円と仮定すると、楽天グループの時価総額の約22%に相当する。
もし楽天銀行の株式を50%売却したとすると、楽天は約1,000億円の資金を得ることができる。
配当利回りで楽天銀行の株価を予想してみる
2022年3月期の楽天銀行のEPSは約85円なので、配当性向50%で計算すると年間配当は最低でも40円くらい出すことが可能。
この配当利回り(配当金額)を基準として株価を計算するなら楽天銀行の株価は800円(配当利回り5%/年間配当40円)くらいの価値がある。
※ゆうちょ銀行と同じ年間配当50円なら株価は900円~1,000円前後までいく。
この株価なら楽天銀行の時価総額は約1,880億円、楽天銀行の新規上場で保有株式の約50%を市場で売却したとすると、楽天グループの得られる売却益は約940億円。年間4,000億円といわれる楽天モバイルの赤字を埋めるには全然足りないけど、楽天グループの寿命を1年延命するくらいの資金調達ができる。
2019年から1株あたりの純利益(EPS)の伸びが鈍化してるので、上場後に大きな株価の伸びは期待できないが、年間40円程度(株式分割前なら4,000円くらい)の配当だったら、問題なく維持できそうな業績である。