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2025年5月期の分配金の支払いが約6億円減少
半年ごと分配金を約3,000円→2,000円に大幅減配したから、エネクス・インフラ投資法人の分配金の支払い額が前回から約16.6億円→約10.7億円に減少。
「利益分配金」は1,300円→1,593円に増加しているけど、「利益超過分配金」が1,609円→312円に大幅減配されたので、インフラ投資法人としては約6億円くらい内部に余剰金が発生した計算。
エネクス・インフラ投資法人の1口当たりの純資産は77,899円
太陽光発電を運営するインフラ投資法人は固定資産(機械及び装置等)の減価償却が発生するので、1口純資産はどんどん減っていくのが当たり前なのですが、2024年11月期→2025年5月期の半年間では、1口純資産がほとんど減りませんでした。
これはおそらく利益超過分配を大幅減配したので、その影響もあるはずです。
太陽光発電インフラ投資法人の分配金には2種類ある
太陽光発電インフラ投資法人の分配金には「利益分配金」と「利益超過分配金」の2種類があって
■利益分配金とは?
利益分配金とは通常の生産活動から生じた利益を投資家に分配するお金のこと。
通常の株式会社の配当に当たるものがこの「利益分配金」になります。
■利益超過分配金とは?
太陽光発電施設は毎年、保有施設の減価償却費が発生します。
例えば毎年の利益が10億円、減価償却費が10億円だとすると会計上の利益はゼロ円ですが、インフラ投資法人としては10億円のお金が内部に残ります。そこから太陽光発電の建築にかかった費用(借入金等)を返済して、余ったお金を「利益超過分配金」として投資家に分配します。
・減価償却費10億円→借入金の返済が9億円なら1億円分が投資家に「利益超過分配金」として分配される。
利益超過分配金は資本の払い戻し
・利益分配金は、太陽光のエネルギーを電気に変換してそれを電力会社に売って利益を得るという、生産活動の結果なので、人件費や運営維持コストを差し引いて黒字であれば、インフラ投資法人の資産は基本的に増加します。(インフラ投資法人は純利益のほぼ100%投資家に分配金として支払っているので、正確に言うと資産が増加するのは投資家たちです。)
※2025年5月期のエネクス・インフラ投資法人の純利益が8億5,500万円=分配金(配当性向100%)=1口分配金 1,593円分が半年間の生産活動の結果投資家が受け取れた利益
・いっぽうで利益超過分配金は減価償却費で余ったお金を投資家に戻す作業(資本の払い戻し)なので、例えば1口の純資産が80,000円のインフラ投資法人が毎年1,000円の利益超過分配金を支払うとすると、インフラ投資法人の純資産は79,000円に減ります。
個人投資家としては1,000円のお金をもらったような気持ちになりますが、利益超過分配金は資本の払い戻しなので投資家の資産は増えません。
※エネクス・インフラ投資法人を8万円で購入している人と、5万円で購入している人の利益超過分配金の価値は同じななのか?という疑問もありますが、その辺も話始めると内容が複雑になるし、私自身も詳しくは分からないので、その解説は省略します。
減配した利益超過分配金はインフラ・投資法人の利益剰余金として蓄積される
ここで最初に紹介した2025年5月期のエネクス・インフラ投資法人決算短信の内容を再確認すると、1口当たりの利益超過分配金の支払い金額が1,609円(8.96億円)→312円(1.67億円)に減少。
全体の分配金の支払い額は分配金を約3,000円→2,000円に減配したことで、約16.6億円→約10.7億円に減少。
利益超過分配金の支払いが前回と比較して約7.29億円減ってるので、このお金は別に消えたわけじゃなくてインフラ投資法人の利益剰余金として内部に蓄積されます。
それでエネクス・インフラは第1回 自己投資口取得(約10億円分)、第2回 自己投資口取得(約5億円分を予定)してるので、利益剰余金は減ってるはずですが、1,000億円分の太陽光物件がいまは250億円で売ってるのだから、新規に太陽光物件に投資するくらいなら、そのお金を自己投資口の取得に充てたほうがお得なのです。