2020年4月6日(月曜日)安倍総理は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国に「緊急事態宣言」の発令を出す方向で調整していることを発表した。
当面の緊急事態宣言の期限は5月6日まで(最大6か月)、宣言の対象地域は「東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、兵庫、福岡」の7都府県。
これらの地域では「生活の維持に必要な最低限の外出」以外は住民に自粛を要請でき、学校や百貨店、映画館など多くの人が集まる施設の使用制限の要請・指示を出せるようになる。
具体的に政府から施設の休止を要求される場所は「大学や専修学校など教育施設、自動車教習所、学習塾、体育館、水泳場、ボウリング場、ゴルフ練習場、バッティング練習場、スポーツクラブ、劇場、映画館、ライブハウス、集会場、展示場、博物館、美術館、図書館、百貨店、マーケット、ショッピングモール、ホームセンター、理髪店、質屋、キャバレー、ナイトクラブ、バー、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、パチンコ店、場外車券売り場、ゲームセンター」など。
一方で社会生活やインフラを維持するうえで必要な「病院、診療所、薬局、卸売市場、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホテル、バス、タクシー、レンタカー、電車、物流サービス、工場、公衆浴場、飲食店(夜間・休日など営業時間の短縮、居酒屋は休業の要請)、金融機関や官公署」などは休止の対象外となる。
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「緊急事態宣言」の発表を受けた日経平均株価の値動き
政府の「緊急事態宣言」の発動準備の報道を受けた2020年4月6日(月曜日)の日経平均株価は、新型コロナの感染拡大に歯止めがかかるとの期待から午前中は買い優勢でスタート。
「緊急事態宣言」の対象となる業種では、最低でも1か月ほどの休業状態を強制されるため更なる収益悪化と株価下落が懸念されたが、週明け月曜日の東京株式市場の日経平均株価は前日比+756円の18,576円と大幅続伸で取引が終了した。
「緊急事態宣言」を受けたドル円の値動き
ドル円の値動きは午前7時30分頃までは1ドル108.400円付近で動いていたが、日本市場の開始午前9時からドル買い傾向に。午後16時30分の時点で一時109.400円を付けるまで円安が進んだ。
「緊急事態宣言」を受けたNYダウ(CFD)先物の値動き
日本の「緊急事態宣言」発令の意向を受けた2020年4月6日(月曜日)のNYダウ(CFD)の先物取引は、前日終値が21,000ドル付近で終了したのに対し取引再開の午前6時から買いが入り、欧州市場が開かれる午後18時前には前日比+約900ドル高の21,913ドルの値を付ける。
NYダウは史上3番目(+7.73%)の値上がり率を記録
最終的に2020年4月6日(月曜日)のNYダウ株式市場の価格は、前日比+1,627ドル(+7.73%)の22,679ドルの大幅高で取引を終了。上昇率で言えば2020年3月13日に記録した+1,985ドル(+9.36%)に次いで史上3番目の記録。
この日のNYダウは全銘柄が上昇、値上がりは新型コロナの影響がダイレクトに響いた航空機関連の「ボーイング社」がもっとも大きく、上昇率は前日比+19%を超えた。
この大幅上昇は日本の「緊急事態宣言」の効果というよりは、世界的に猛威を振るっている新型コロナの感染拡大が弱まっているとの見込みから、投資家心理が改善し、これが大幅な値上がりに通じたのだと経済評論家の間では言われている。