日本のADSL回線が終了する危機!NTTのアナログ固定電話網が抱える『2025年問題』とは?

ADSL

2000年頃のインターネット黎明期から約20年近く日本の通信業界を支えてたADSL回線ですが、2016年6月にNTT東西日本の「フレッツADSL」が新規の申込受付を終了。OCNのADSLが2017年3月にサービスを終了。

 

2019年2月28日(木)には「Yahoo!BB」のADSLが新規申込の受付終了(業界最大手のYahoo!BBがADSLサービスの終了を発表したのは衝撃だった)と、業界全体でADSLサービスの事業縮小が進んでいます。

目次

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日本のADSLサービスはなぜ終了してしまうのか?その「理由」について解説してみました。

日本のADSL回線サービスが終了してしまう主な理由としては、「契約者数の減少」「アナログ電話回線の廃止」の2つが大きく関係しています。

1.ADSL全体の契約数の減少

日本では1999年に長野県で国内初のADSL回線の商業サービスがスタート、そして2000年にNTTの「フレッツADSL」ソフトバンクの「Yahoo!BB」が登場することで、一般にも広くADSLが普及するようになりました。

※当時、Yahoo!BBが駅前などでルーターを無料配布していたのが印象に残っています。

 

しかし2005年頃から日本各地で光ファイバーの整備が進むと「ADSL」よりも更に高速な「光回線」の普及が進み、「WIMAX」や「ポケットWiFi」などのモバイル回線の登場、スマートフォン利用者の増加など、ユーザーを取り巻くインターネット環境もこの20年でだいぶ様変わりしました。

 

総務省発表による2015年3月末時点でのブロードバンド回線の契約件数はひかり回線が2660万件に対してADSLが375万件と、ADSL回線は最盛期の5分の1まで利用者が減少。

 

更に平成30年の「情報通信白書(総務省)」では、固定系ブロードバンド契約に占めるADSL(DSL)の契約件数が約215万件と、年間40~70万件のペースで利用者が現象しており、2020年の時点でADSLの契約者数は200万件を割り込むと予測されている。

※画像資料 平成30年版「電気通信サービスの提供状況・利用状況」

2.アナログ固定電話回線に迫る「2025年問題」

ADSLサービスが終了してしまうもう1つの大きな要因としては、一般の固定電話などに利用されているアナログ電話回線(PSTN)が廃止になってしまう『2025年問題』が影響しています。

■固定電話に迫る「2025年問題」とは?

1890年の開通以来、1世紀以上にわたり国民生活を支えてきた固定電話の“終わり”が始まろうとしている。電話網(PSTN)の要となる交換機はすでに製造が停止されており、現存機器の寿命は長くてもあと10年。この「2025年問題」を避けるため、NTT はPSTNをIP(インターネットプロトコル)網に移行する計画だが、携帯電話など通信手段が多様化する中で、固定電話の存続にこだわるべきではないとの議論もある。

<問われるユニバーサルサービス>

総務省の「通信利用動向調査」によると、昨年末の固定電話の世帯保有率は75.7%と過去最低を更新、20代世帯は11.9%まで落ち込んだ。情報通信政策研究所がまとめた「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2014年)では10─20代の平日利用率は1%に満たず、固定電話をほとんど利用していない実態が浮かび上がっている。

引用元 ロイター通信

総務省では2025年を目途にアナログ固定電話網(メタルケーブル)をインターネット技術を利用したIP電話通信網(光ファイバー)に置き換える方針を発表。

 

現在の固定電話に利用されているアナログ電話回線はインフラ設備の老朽化と共にNTT向けの電話交換機(アナログ)の製造はすでに終了、既存の交換機が寿命を迎える2025年頃までに固定電話回線網PSTNを光ファイバーのIP(インターネットプロトコル)網に移行しなければならない問題(2025年問題)をNTTは抱えています。

【2017年4月 追記】NTT(東西日本電信電話株式会社)では2017年4月6日、従来のアナログ電話回線を使用したPSTN網から、インターネット技術を利用したIP電話網への切り替えスケジュールを、このたび正式に発表しました。

→【NTT報道発表資料】固定電話のIP網移行スケジュールについて【PDFファイル】

 

一般の固定電話は「交換装置」を活用した変換技術が確立しているため、現在使用している固定電話を2025年以降もそのまま継続(手続きや工事は不要)して利用可能なのですが

 

メタルケーブル(PSTN接続)を利用したADSL回線はアナログ電話回線が撤廃されるとサービスの提供が事実上不可能となってしまうので、これが原因でADSL回線は2025年までに全てのサービスが終了してしまうのです。

 

たぶんADSL回線も変換機の開発でサービスを維持しようと思えば出来るのだろうけど、それだと余計なコストが掛かってしまう。

 

わざわざ利用者が減っているサービスに対してお金を無駄に浪費するよりも、次世代の光回線や5Gに設備投資するほうがメリットも大きく利用者の恩恵も多い。新技術の登場や進化と共に旧サービスが淘汰されるのは、時代の流れ的に仕方がないことなのです。

【まとめ】日本のADSL回線が終了する危機!NTTのアナログ固定電話網が抱える『2025年問題』とは?

日本では業界最大手だったYahoo!BBが、2019年2月28日(木)にADSLサービスの新規の申込受け付けを終了。

同社が提供する「Yahoo!BB ADSL」も2024年3月末でサービスの提供が完全終了することが確定しており、現在、ADSL回線を利用しているユーザーは、将来的に「光回線」や「WIMAX」などの、他のインターネット接続サービスに乗り換える必要がでてきます。

【関連記事】→Yahoo!BBのADSLのついに終了!光回線が契約できなくて困っている人向けのおすすめインターネット回線

 

ADSL回線のサービス終了まであと約4年近く残されていますが、ギリギリになって乗り換えるとまた手続きが混雑したりするので、1年くらいは余裕をもって早めに他のインターネット回線に移るように心掛けましょう。

 

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