工事不要ですぐに「インターネット」や「WiFi通信」が使えるサービスとして、最近では在宅勤務用のインターネット回線としても需要が伸びているSoftBank Air(ソフトバンクエアー)
SoftBank Airは主に「光回線」や「ADSL」などの固定回線が契約できない場所で、インターネットを利用したい場合に大変重宝するのですが
→Yahoo!BBの「ADSL」からソフトバンクの「SoftBank Air」に乗り換えてみた感想
そんなSoftBank Airの通信には非常に厳しい「速度制限」が設定されており、毎日午後18時~翌午前2時までの約8時間、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サービスを利用しようとすると、通信速度が下り2~3Mbps前後に制限されることがある。
下り2~3MbpsというのはYouTubeだと720pのHD画質がギリギリ視聴できるくらいのスピード、自宅では午前中は下り70~80Mbpsと光回線なみの速度が出るのですが、夕方以降の時間帯になると、SoftBank Airの「速度制限」によって通信速度が極端に遅くなってしまいます。
目次
ソフトバンクエアーでも速度制限が掛らない動画配信サービスがあるって本当?
実は動画配信サービスのなかにもSoftBank Airの「速度制限」が掛らないサービスもあって、例えば「ディズニーデラックス(ディズニープラス)」がそれに該当します。
ディズニー公式の動画配信チャンネル「ディズニーデラックス」とは?
Disney DELUXE(ディズニーデラックス)とはNTTドコモとディズニーが提携して2019年3月から提供している動画配信サービスで、月額700円(税別)でウォルト・ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックの作品が見放題になるのが特徴。
このディズニーデラックスが非常に興味深い点は、NTTドコモのサービスなのに回線が混雑する時間帯でもSoftBank Airの速度制限が掛らずに動画が視聴できること。
ソフトバンクエアーの速度制限中でも下り10Mbpsを記録
試しにインターネットの利用が多くなる夕方以降にSoftBank Airでトイ・ストーリー4を視聴してみると、速度制限の掛かる時間帯でも下り8~10Mbps前後のスピードを記録。
Windows10のタスクマネージャーで動画視聴中の通信速度グラフを計測してみたが、平均8.5Mbps前後で推移していた。
YouTubeを視聴する時はこれが下り2~3Mbps前後で推移するのだが、ディズニーデラックスだけは例外で、速度制限中でも下り10Mbps前後は出るようである。
このことから分かるのがSoftBank Airは回線が混雑する時間帯でも下り10Mbps前後は出せる実力を持っており、YouTubeやニコニコ動画などの視聴時に発生する「速度制限」は回線混雑に起因するものではなく、意図的な通信制限だと判断できる。
ソフトバンクエアーの「速度制限」が厳しい理由
ソフトバンクがSoftBank Airにこれほど厳しい速度制限を課す理由としては、SoftBank Airはもともと携帯電話やスマートフォン用の電波(通信帯域)であるSoftbank 4G(4G LTE/AXGP網)を転用してサービスを提供しているので、SoftBank Airの利用者が大量のデータ通信を利用するのを防ぐ必要がある。
昨今では大容量プランの登場でスマートフォンでも50GB以上のデータ通信を消費するユーザーも増えてきたが、それでもデータ通信量の中央値は月平均2~3GBと、90%のユーザーが大体この範囲に収まってしまう。
一方で固定回線代わりに使用されるSoftBank Airのデータ通信量は毎月100~200GBと、スマホの30~60倍近い帯域を占領してしまう。
SoftBank Airの利用者が増えすぎると、帯域の圧迫で携帯電話のデータ通信に影響が出かねないので、そのためSoftBank Airには固定回線変わりに利用するユーザーが、データ通信の使い過ぎで通信帯域の圧迫を防ぐために、厳しい「速度制限」が設定されているのです。
SoftBank Airには月間のデータ容量制限やWIMAXのような「3日間10GB制限」はないのですが、夕方以降の時間帯で通信規制があることは知っておきましょう。