総務省が3月8日に公表した「電気通信サービスの契約数及びシェア」の平成29年第3四半期(12月末)において、移動通信の契約数に占めるMVNOの比率が通信サービス全体の10%を超えることが判明しました。
移動系通信の契約数に占めるMVNOサービスの比率は10.3%と、資料を見てみるとMVNOの契約比率が3か月ごとに+0.3~0.4%増、年間で1.2%ずつシェアが拡大しているのが分かります。
携帯電話の事業者別のシェアではNTTドコモが39.1%、KDDIが27.2%、ソフトバンクが23.4%。そしてMVNOが10.3%。
格安SIMの契約件数は1,086万件超え
格安スマホに使用されるいわゆる「格安SIM」の契約件数も2017年12月末の時点で1,086万件と1,000万の大台を突破。
業界別のシェアでは楽天モバイルが1位に
MVNOのシェアで見ると第1位が楽天モバイルの15.4%、第2位がインターネットイニシアチブ(IIJ)の14.0%、第3位がNTTコミュニケーションズ(OCN)の11.8%、第4位がケイ・オプティコム(mineo)の9.3%、第5位がソニーネットワークコミュニケーションズ(nuroモバイル)の5.2%となっています。
▲『楽天モバイル』公式サイト
これまでのMVNO業界ではインターネットイニシアチブ(IIJ)が回線契約数でNo.1の座をずっと維持してきたのですが……、2017年11月に楽天モバイルが経営破綻しかけたFREETEL(フリーテル)を買収したことでFREETELの約35万回線を入手。
これにより楽天モバイルのユーザー数が約140万回線になり、シェア別の比率で第1位を獲得。
そして親会社の楽天グループは総務省が実施する周波数の新規割り当てに応募し、これが認められれば国内第4位の携帯電話会社としてMNO事業に本格参入、設備投資費6,000憶円を投じて「楽天携帯」を2019年に開始する予定。
これが成功すればMNO・MVNOの両方で業界の支配図を塗り替えるのは無理でしょうが、多少は影響を与えるほどに携帯電話業界に食い込むことができるでしょう。
■参考資料 総務省『電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成29年度第3四半期(12月末))』
http://www.soumu.go.jp/main_content/000538465.pdf(PDFファイル)