2021年10月6日(水曜日)の日経平均株価は前日のNYダウの上昇(+311ドル/+0.92%)を受けて、一時+400円近く上昇したが、午前9時35分頃から株価が急落。
日経平均先物は一時的に28,210円の高値を付けていたが、たったの2時間半で27,180円付近まで1,000円以上の暴落。最終的に日経平均の終値は27,528円(前日比▲293円/−1.05%)で取引を終了したが、日経平均の下落は今日で8日連続の続落。
目次
日経平均が8日連続で下落するのは2009年7月以来 約12年ぶり、リーマンショックに匹敵する出来事
日経平均株価が8日連続で下落したのは2007年~2009年のサブプライムローン~リーマンショックの頃に2回ほどあったらしいが、今回の8日連続下落はそれに匹敵する出来事だということ。
①2007年11月13日 -10.80%
②2021年10月6日 -9.33% ← 岸田ショック
③2009年7月13日 -9.29%
日経平均株価は東京オリンピック開催による新型コロナ感染拡大「第5波」や夏休みの夏枯れ相場で、8月20日(金)のトヨタショックで一時的に27,000円(年初来安値更新)を割るまで5か月間くらい株価が押さえつけられていたのだが、8月30日(月)から9月14日(火)の約2週間で+3,182円(+11.52%)の大暴騰。
しかし9月末に岸田さんが自民党の総裁に選ばれると「金融所得への増税発言」株価が一気に急落、9月27日頃からの約10日間(30,248円→27,528円)で、9月前半の上昇を食い尽くしてしまった。
【岸田ショック】日経平均株価が8日連続で下落した原因
もともと9月28日(火曜日)の配当落ち後に日経平均が下がることは予想されていたが、2021年9月29日(水曜日)菅 元総理大臣の任期満了に伴う自民党の総裁選挙で、河野 太郎さんを破って岸田 文雄さんが、第100代内閣総理大臣に就任することが確定すると、岸田さんが株取引やFX等の金融所得(利益)に対する税金を20%→30%に増税すると発言して日から大暴落。
8月頃まで年初来安値を更新し続けたアメリカや欧州も、9月になってからは主に①~③の理由で株価が調整局面に入っていたが
①テーパリングに向けてのポジション調整。
②不動産大手「恒大集団」のデフォルト懸念、それに伴う中国の不動産バブル崩壊。
③金利上昇によるハイテク・半導体関連売り→銀行やバリュー株への資金シフト。
④株取引やFX等の金融所得(利益)に対する税金を20%→30%に増税(日本固有)
NYダウは年初来高値から5%ほどしか下げてないのに、日経平均だけ年初来高値から10%以上暴落したので、明らかに④の理由で機関投資家が日本株を投げ売りしているのが分かる。
2021年10月に日経平均が暴落したもう一つの理由
■日経平均のEPSが10月の銘柄入れ替えで下がってしまった
9月中旬の年初来高値から日経平均が半月で約3,300円(−10.99%)以上暴落した理由は①~④以外にもあって、10月1日から日経225の採用銘柄を「任天堂」「村田製作所」「キーエンス」に入れ替えたら、日経平均のEPS(1株当たりの利益)が2,152円→2,039円まで下がってしまった。
例えば9月30日のEPS 2,152円×PER 13.68倍の時の日経平均は29,452円になるが、これがEPS 2,039円×PER 13.68倍だと日経平均は27,893円となり、単純にEPSが100円下がるとPER 13倍では日経平均が1,300円も下がる計算になる。
つまりEPSの基準で日経平均を見た場合、10月5日(火曜日)の日経平均株価は27,822円(PER 13.64倍)と妥当な水準で、銘柄の入れ替えによりEPSが100円以上下がったのが、日経平均が大きく下げた理由の一つとなっている。
もちろん岸田政権が金融所得に対して増税を発表したのも日経平均が暴落した要因の一つだと思うが、9月27日(月)から10月6日(水)にかけて株価が8日間で2,700円(-9.30%)以上下げたのは、岸田ショック以外にも日経平均の銘柄入れ替え(1株当たりの利益の低下)が大きく影響していると考えられる。
PERが1倍変わるだけで日経平均は2,000円以上動く
例えば日経平均のEPSを2,000円として計算すると、PER 13倍では日経平均 26,000円、PER 14倍では28,000円と、PERが1倍変わるだけで日経平均は2,000円以上株価が違ってくる。
2021年8月23日には日経平均のPERが12.82倍まで売り込まれたことがあるので、仮にEPSが2,039円だと、EPS 2,039円×PER 12.82倍=26,139円まで日経平均が下がっても別におかしくはないのである。
※ちなみにNYダウのPERは23.3倍(2021年10月時点)なので、日経平均がNYダウと同じ水準のPERまで株価が上がると、日経平均の理論値は47,508円となる。