2021年9月28日(火曜日)の取引終了後、政府が保有している日本郵政株の売却情報がリークされた。
■2021年9月28日 20:21
日本郵政に対して政府保有が義務付けられている3分の1を除く全株を処分する方針で、売り出し規模は約9500億円。日本郵政は、売り出しに合わせて自社株買いを実施し、市場に放出される株式の一定程度を吸収する計画だ。
政府は東日本大震災の復興財源4兆円を確保するため、保有義務のある「3分の1超」を超える日本郵政株の売却を目指しており、過去2回の売却で2.8兆円を確保。今年6月の日本郵政による自社株買いに応じて2500億円を売却しており、残る10.3億株の第3次売却で9500億円を確保する必要がある。
このブルームバーグの報道によると、政府が保有する日本郵政株 最大10億3,000万株を約9,500億円、1株当たりに換算すると約922円で10月末までに売り出す予定。
日本郵政株の売却スケジュールについては10月6日(水)に売却条件や日時が正式発表、売却価格は10月25日(月)~27日(水)の終値で決定されることになった。
目次
2021年10月 日本郵政(6178)の売却条件は以下の通り
■10月6日に発表された日本郵政の売却条件は以下の通り
①財務省が2021年10月6日(水)に日本郵政の3次売却を発表。
②売却する株式数は10億2,747万7,400株(発行済み株式の約27%に相当)
③ここから日本郵政が約3.5%に相当する1,000億円程度の自社株買いを行う。1億3,300万株の上限。
④売却価格の決定は25日~27日
⑤日本郵政の自社株買いは最短で11月1日から開始。
政府が放出予定の日本郵政株は約10億2,747万株、日本郵政株は国内75%に対して海外25%の割合で売却。日本郵政は需給の悪化による株価の下落を防ぐ目的か、政府が10億株の株式売却と同時に1億3,300万株(約900円)を上限とした1,000億円前後の自社株買いをすると発表。
日本郵政は2021年6月に政府から直接買い付ける形で約2,500億円(2億7千万株)の自社株買いを行っており、今回の自社株買いとあわせると1年間で合計で約3,500億円(3億7千万~4億株)の自社株買いをすることになった。
最大10億株の売出発表後の日本郵政の株価値動き、約10億株の公募売却の下落率は約16%
■2021年10月25日(月曜日) 日本郵政の売出価格が820.6円に決定!
政府が保有する約10億3,000万株の日本郵政株 第3次売却について、2021年10月25日(月)の終値である837.4円から2%割引きした820.6円(配当利回り6.09%)に決定。当初の予定では総額9,500億円の売却益を想定していたが、実際の売却額は1,069億円少ない約8,431億円となった。
■最大10億株の売出発表後の日本郵政の株価値動き
2021年9月28日(火)に日本郵政の売出情報がリークされてから、10月25日(月)に日本郵政の売却価格が決定するまでの値動きは1,003円→837円で、株価の下落率は約16.21%(−162円)となった。
売却価格決定当日 10月25日の日本郵政は前日比▲39円(−4.49%)で取引を終了、取引き終了間際の1秒間で株価が28円下落
特に売却価格が決定する10月25日の値動きはすさまじく、この日は機関投資家の売り注文を全部さばくためか、引けで約4,000万株近い成売りが入り、14:59:59秒~15:00:00秒の約1秒で865円→837円と、株価が一瞬で28円(−3.2%)下落。日本郵政は前日比▲39円(−4.49%)の837円で取引を終了した。
【まとめ】日本郵政 最大10億株の公募売出で株価の下落率は?日本郵政を買うならいつが良かったか?
2021年10月に行われた日本郵政 最大10億3,000万株の公募売出についてまとめると
・最大10億株の売却が発表された日本郵政の下落率は9月28日(火)の高値から約16%
・10月6日(水)の公式発表からの下落率は約10%
・株価は1,003円→837円へ下落(−166円)
・日本郵政の売却価格は820円に決定(837円の2%引き)
・目標売却価格は920円だったが、実際の売却価格は820円(配当利回り 6.09%)
・これで政府の売却益は約9,500億円から約8,431億円に減少。
・海外勢が日本郵政を安く買いたたくためか、引けにかけて大量の売り注文が出た。
最大10億株の売出が発表された銘柄を買うなら、公募売出(PO)で注文するのが一番ベスト。
ソフトバンクGが通信子会社のソフトバンク株 約9億3,000万株(約1兆4,700億円)の売却を発表した時もそうだったが、大量の公募売出(PO)が出る株式を購入する場合は、中途半端に買わずに売却価格が決定する日まで待ったほうがいい。
【補足①】売却価格の決定は初日に決まることが多い
売却価格の決定は基本的に初日に決まることが多い(25日、26日、27日を予定していると25日で決まる感じ)、JR西日本の増資のときも最初の予定日が売出価格の決定日だった。
【補足②】日本郵政の当選倍率は5倍
楽天証券で日本郵政のPO(公募売出)に応募した時の当選倍率は約5倍、1,000株注文して200株当たれば良いほう。運が悪いと5,000株注文して100株も買えないことがある。松井証券は売出価格の決定後にも日本郵政(公募)を買うことができたり、証券会社によって対応が違うみたい。