【ブログ】2022年以降にプライム市場落ちでゆうちょ銀行が上場廃止の危機?上場維持でも最低10%前後の株価下落リスクあり!

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2022年にゆうちょ銀行の「上場廃止」リスクが浮上

2021年7月9日(金)の経済ニュースで驚きの事実が発覚!東京証券取引所は2022年4月から市場区分の見直しで東証1部に代わる「プライム市場」を新設するのだが、ゆうちょ銀行がプライム市場に上場できない可能性が出てきた。

これまで東京証券取引所では「東証第1部」「東証第2部」「マザーズ」「ジャスダック」の4つの市場があったのだが、2022年4月4日からは「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに統合することが決定している。

プライム市場に残るためには流通株式比率が35%以上ないと駄目なのだが、ゆうちょ銀行は日本郵政が株式の89%を保有し、現在ゆうちょ銀行の流通株式比率は約9.16%(※7月10日時点)なので、このままだとプライム市場に残れない危機的状況なのである。

ゆうちょ銀行は「スタンダード市場」「グロース市場」にも上場できない可能性がある

東証第2部に相当するスタンダード市場や、マザーズに相当するグロース市場に上場するためにも流通株式比率が最低25%以上必要なので(プライム市場は35%以上)、ゆうちょ銀行はどの市場の上場基準にも適合できない可能性があり、このままでは上場廃止のリスクも浮上してきた。

ゆうちょ銀行が上場廃止になるとどうなるのか?

株式が上場廃止になっても経営危機で倒産など、破産(民事再生法等)手続きで上場廃止にならない限りは株価は維持されゼロ円にはならず、株式を保有している限り配当金もきちんともらえる。

※上場廃止になっても「精算手続」「破産手続」「会社更生または民事再生計画に基づく100%減資」等の手続きがなければ株価が無価値化することはない。

 

ただし上場廃止になると再上場するまでは金融商品取引所での取引が自由に行えず、個人だと売買がものすごく難しくなるので、ゆうちょ銀行の上場廃止リスクを懸念するなら、早めにゆうちょ銀行を売却して、同額を他の銀行株に投資したほうが賢明だと思う。

※ゆうちょ銀行の2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)決算はコロナ下でも増収・増益を確保しているのに、50円→40円の減配発表というのも個人的にはマイナス評価。

ゆうちょ銀行がすぐに上場廃止になる訳ではないが・・・

新市場への移行スケジュールは2021年9月1日~12月30日に新市場の選択、2022年1月11日に企業の上場区分の選択結果発表(予定)、2022年4月4日に新市場へ移行となり、流通株式比率を25%にできなくてもすぐに上場廃止という訳ではなく、2022年4月までに目標達成のための計画書を東証に提出すれば、救済措置として当分の間、緩和された上場維持基準が適用されることになる。

 

日本郵政は2025年年度まで現在約89%保有しているゆうちょ銀行株を保有率50%以下まで売却する目標を掲げているので、もしゆうちょ銀行の株を買う予定なら、株式の売却発表があるまで待ったほうが賢明。

 

日本郵政がゆうちょ銀行の株式を早期に売却するためには財務省との折衝も必要で意思決定に時間が掛かる。機関投資家はそういった不確定要素を嫌うので、これからゆうちょ銀行の株価は下がり続けるかも知れない。

ゆうちょ銀行が上場廃止を回避するためには?

現在、ゆうちょ銀行の発行済み株式数が約45億株、このうち親会社である日本郵政が約72.32%の33億3,700万株を保有。ゆうちょ銀行自身が約7億5,000万株(16.67%)を自己株式として保有しているので、日本郵政グループ全体で合計40億8,700万株(約88.99%)占有していることになる。

 

現在、ゆうちょ銀行の流通株式比率が約9%(9.16%)といわれているので、ゆうちょ銀行がスタンダード市場に残るためには、日本郵政グループ全体で最低でも16%以上(プライム市場は26%以上)の株式売却が必要。

「自己株式」や「保有比率10%以上の主要株主の保有株」は流通株式の定義から外れるので、日本郵政がゆうちょ銀行に株式を売却(移行)するだけではダメ。

例えば日本郵政が保有するゆうちょ銀行株10%分をゆちょ銀行に売却したとしても、ゆうちょ銀行の自己保有比率が26.67%になるだけで、流通株式比率は約9.16%のまま。なので上場維持のためには郵政グループ以外の第3者が16~26%以上の株式(約7億2,000万株~11億7,000万株)を買うことが最低条件となる。

また、日本郵政から株式を買い付けて発行済株式が半分になるまで株式を自己消却したとしても流通株式比率は最大で18.32%なので、1~2年で2兆円以上の資金を捻出して株式を買い付けたとしても上場廃止の回避はできない。

よって今後の展開としては、現在の自己保有株 約7億5,000万株を消却して発行済み株式数を45億株→37.5億株に下げ、追加で日本郵政が約6億株~9億7,500万株(約16%~26%)を市場で売却するのではないかと予想(この方法が一番株価の低下を防げる)

【追記】ゆうちょ銀行が2021年9月15日に自社で保有する約7.5億株(16.67%)を消却することを発表、これで市場に流通する株式数が10.6%に増加、日本郵政が保有する残りのゆうちょ銀行株を約15%~25%を市場に放出すれば、ゆうちょ銀行の上場維持が可能となる。

 

ゆうちょ銀行の株価を920円とすると、スタンダード市場に残るためには最低でも7億2,000万株×920円=約6,624億円分(約16%)の株式売却が必要。今までのようにプライム市場(東証第1部に相当)に残るためには、11億7,000万株×920円=1兆7,640億円分(約26%)の株式売却が必要になる。

※ゆうちょ銀行が自己保有する約7億5,000万株(約16.67%)を消却すると、発行済株式が45億株→37.5億株に減るので、また計算が変わってきます。株価の下落を抑えるため、ゆうちょ銀行の自己株式を消却する可能性も考えられる。

 

ゆうちょ銀行が上場廃止を回避するためには、最低でも7億2,000万株(6,624億円)の売却が必要で、これだけの潜在的な売り圧力が存在するとすると、ゆうちょ銀行の株価は最低でも800円(配当利回り5%)くらいまで下がるのではないか?と個人的には思っている。

【まとめ】プライム市場落ちでゆうちょ銀行が上場廃止の危機?

2022年4月から新市場区分へ移行しても、経過措置が適用されるのでゆうちょ銀行がすぐに上場廃止になる訳ではないが、株式の流通比率が最低でも25%以上にならなければ上場廃止の懸念が常に付きまとうので、早々に売却して別の投資先へ移動するのが賢明かと思われます。

 

恐らく上場維持に向けた計画書の発表は東証に書類を提出した後になるはずなので、ゆうちょ銀行の株を買うなら、投資家向けのIRが公式に発表されるのを待ってからのほうがいいはず。今の先行きが不透明な状態だと機関投資家の買いも入りにくいので、急いでゆうちょ銀行の株に飛びつく必要もないと思う。

配当目的で買うなら日本郵政がおすすめ

ゆうちょ銀行は2022年3月期の決算で年間配当が50円→40円(配当利回り 4.34%)に減配することが確定しているので、配当目的で銀行株を購入するなら三菱UFJ銀行(4.60%)や三井住友銀行(5.38%)を買った方がいい。

※2021年7月9日(金曜日)時点の配当利回り。2021年11の第2四半期決算でゆうちょ銀行は47円へ増配+500株保有者に3,000分の株主優待実施を発表。

 

個人的な意見としては、仮にゆうちょ銀行の株が暴落して配当利回りが6%(株価666円以下)を超えるなら、上場廃止リスクを承知(後の再上場を見込んで)で株式を購入するかも知れないが、現状の状態だとゆうちょ銀行の株を買う選択肢はありえない。

 

郵政グループの株なら親会社である日本郵政の配当利回りが株価910円で5.49%と、ゆうちょ銀行と同じ価格帯で配当利回りが高いので、早々にゆうちょ銀行を売却して日本郵政へ乗り換えることをおすすめします。

※ちなみに日本郵政の中間配当(2021年9月末)は見送りになると予想されるので、日本郵政の株を買うなら今年の10月~12月以降でいいと思う。

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【まとめ】ゆうちょ銀行の株価は最大で10%~15%前後下落する可能性あり

2021年10月時点の段階では、ゆうちょ銀行の親会社である日本郵政がゆうちょ銀行の株式 約33.3億株を保有しており、2022年4月4日にスタートする新市場に上場するためには、市場で流通する株式比率が25%~35%になるまで株式を売却する必要がある。

 

そうなると日本郵政は2022年以降に約5億6,250万株~約9億3,750万株の株式を市場で売却する必要があり、これだけの株式数が売り圧力として降りかかってくることになる。

「自己株式」や「保有比率10%以上の主要株主の保有株」は流通株式の定義から外れるので、日本郵政が直接ゆうちょ銀行に株式を売却してもダメ。プライム市場やスタンダード市場に残るためには、最低でも約5億6,250万株の株式放出(市場での売却)が必要になる。

日本郵政はゆうちょ銀行株の保有率を50%前後になるまで売却する方針

2021年11月の第2四半期決算で日本郵政は、2026年3月期までにゆうちょ銀行株の保有率が50%弱になるまで売却する方針を発表しており、これが実現すると33億株÷2で約16.5億株のゆうちょ銀行株が売り圧力として降ってくることになる。

 

2021年10月に政府が約10億3,000万株(約9,500億円相当)の日本郵政株の売却を発表した時は、日本郵政の株価は高値から10%~16%ほど下落(日本郵政 1,003円→837円)した。仮に日本郵政が保有する約33億株の内、約16億株の売却発表をしたとすると、ゆうちょ銀行も高値から10%~15%程度の下落は覚悟しておいたほうがいいかも知れない。

 

正直言って現在のゆうちょ銀行は将来の下落リスクを負ってまで買うほど配当利回りが高いかというと微妙。配当目的で株を買うなら他の銀行株を購入したほうがいいし、株主優待目当てなら日本郵政が株式を大量売却してゆうちょ銀行の株価が大きく下落するのを待ってから、購入することをお勧めします。

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