新型コロナが世界経済に深刻なダメージを与えるなか、2020年5月11日(月曜日)に比較的好調な決算を発表した通信会社のソフトバンク(9434)
2020年3月期の決算の売上高は前年比+4.4%の4兆8,600億円、営業利益も前年比+11.4%の9,117億円で、年間配当も前年の75円(37.50円)→85円(42.50円)の増配なのに、株価は5月11日に付けた1,470の終値から9営業日連続の下落。
2020年5月22日時点の株価は約1,320円(前日比-55円)と、好決算の発表後から150円以上も下落してしまった。
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通信会社「ソフトバンク」の株価が下落した要因
今回ソフトバンク株が大きく下落した要因としては、前日に親会社のソフトバンクグループ(9984)が、子会社であるソフトバンク(9434)株の売却を発表したことによる影響。
経営安定のためソフトバンクグループが約4.5兆円分の資産を売却を発表
投資会社であるソフトバンクグループ(SBG)は、2020年2月より続く新型コロナ関連の株価大暴落により、2020年3月期の決算は営業損益が1兆3646億円の赤字(前年 2兆736億円の黒字)、最終損益が9616億円の赤字(前年 1兆4112億円の黒字)と、上場以来過去最悪の赤字に転落。
このためソフトバンクグループでは負債の圧縮や自社株買いの原資のため、アリババやスプリントなど約4.5兆円分の資産を売却することを発表。
その過程で子会社であるソフトバンク株も、ソフトバンクグループが保有する67%のうち約5%にあたる2億4,000万株を証券会社を通じて売却。これによりSBGは約3,000億円の資金を入手するが、短期的に大量の売りポジションが株式市場に大量に流れ込むことで、今回のソフトバンク(通信会社)株の大きな下落につながってしまった。
いっぽうで親会社のソフトバンクグループは過去最大の1兆4000億円赤字決算を発表した翌日に一時4,400円を割り込み株価が4,384円の安値を付ける場面があったが
4.5兆円規模の資産売却による負債圧縮や自社株買いを好感して前日比+127円の4,607円で5月22日の取引を終了した。
【9434】ソフトバンク株はどこまで値下がりするのか?
2020年5月22日(金曜日)時点のソフトバンク(9434)株価は前日比-56円の1,319円で取引を終えた。
ソフトバンク株は2020年4月3日に付けた1,287円が最安値(上場来最安値)
ソフトバンク自体は決算好調で今年の配当は10円増配の85円、連日の株価下落により配当利回りも6.44%(5月22日時点)の高水準となっており、1,300円を割るようなら絶好の買い場となる。
目下、世界では新型コロナによる株価の大暴落が懸念材料であるが、日経平均が2万円台を大きく割らない限りは、1,350円~1,400円くらいまで株価は戻すと思う。
※ソフトバンク株の更なる値下げの要因としては新型コロナによる経済ダメージの長期化+それによる連鎖倒産の増加。アメリカの大手航空会社の倒産による株価の大暴落。その後、1年以上の下落トレンド(世界経済の景気後退)に突入する可能性もなくはない。そうなった場合、ソフトバンク株が1,200円~1,250円を簡単に割ることも想定しなくてはいけない。 |
2021年3月期の業績予想も現時点では好調なので、新型コロナによる世界経済の動向を常に注意する必要があるが、この辺でソフトバンク株を購入して中~長期で保有する戦略もいいかも知れない。