日本ではADSL最大手のYahoo!BBがついにADSLの新規申込み受付を2019年2月28日(木)をもって終了、これに伴い同じYahoo!BBのADSL(正確にはソフトバンクのADSL回線)を使用している楽天やビッグローブのADSLも新規の申込み受付を終了します。
現在ADSLを契約しているユーザーは新規募集終了後もそのまま継続してADSLを利用することが可能ですが、大手の通信事業者でADSLを新規契約できるサービスは私の知る限りでは無くなってしまいます。
目次
Yahoo!BB ADSLの歴史
ADSLは2000年頃から商業サービスが開始され、通信速度は下り平均3Mbps前後と現代のブロードバンド環境と比較すると遅いが、当時としては高速インターネット通信の部類に入り、日本のインターネット普及に大きく貢献しました。
通信業界の中では2001年8月1日に提供が開始されたYahoo!BB ADSLが一番有名で、当時のADSLが下り500kbps~1Mbpsで月額5,500円ほどだったのに対し、Yahoo!BBのADSLは月額3,000円程で下り2~4Mbps前後(基地局との距離が平均的な場合)と圧倒的だった。
■ADSLの歴史とADSLが終了する理由
日本では2000年代前半に既設のメタリック通信線が利用できることで急速に普及した。従来の公衆交換電話網を経由したダイヤルアップ接続による従量制通信料金ではなく、月額定額料金で提供される場合がほとんどで、常時接続という利用形態が普及した。
しかし、2000年代後半になると携帯電話に代表される高速な移動系通信サービスの普及と、光ファイバー(FTTH)による高速通信が主流になるにつれて利用者が減少しており、さらにPSTNの将来的なNGNへのマイグレーションに伴ってサービスの廃止が検討されるようになり、NTT東日本とNTT西日本は2017年11月30日、FTTHサービス「フレッツ光」提供エリアで、ADSLサービス「フレッツ・ADSL」の提供を2023年1月31日に終了すると発表した。
■実験からサービス開始
1999年4月に、伊那市有線放送農業協同組合にパラダイン製のADSLモデムを同社の従業員が持ち込み、有線放送電話網での接続実験を行った。同年8月27日に伊那xDSL利用実験連絡会が記者会見を行い、8月から9月にかけて伊那市有線放送農業協同組合でのxDSLの公開実験をすると発表した。その時の主な参加企業は、長野県のプロバイダー事業者として富士通長野システムエンジニアリング及び長野県協同電算、システム構築を担当した企業はKDDI研究所、数理技研、SunMicrosystems、xDSLの機材提供を行ったのは住友電気工業、住友電設、ソネット、パラダインジャパン、NECであった。
同年9月1日にJANISネット(株式会社長野県協同電算)が長野市の川中島町有線放送農業協同組合の有線放送電話網を使って下り最高1.5Mbps・上り最高272kbpsのサービスを始めたのが商業ADSLサービスの始めとされる。
東京めたりっく通信(後にソフトバンクへ吸収)は、1999年12月24日に新宿新南口のユースビル一階で、ADSL/SDSL接続サービスのデモ・センター「新宿めたりっくバー」を開設した。NTT電話網を利用した商用ADSLサービスは1999年12月にコアラが大分市の一部を対象に、次いで2000年1月に東京めたりっく通信によって東京23区内の一部を対象に開始(申し込みは1999年10月頃から)された。
■発展と普及
2001年はブロードバンド元年といわれた。Yahoo!BBと組み合わせて使うIP電話のBBフォンがサービス開始となり、同事業者間で無料通話ができることからIP電話が広く認知されるようになった。2003年にIP電話で050番号が付番され、主にISP系のITSPの新規参入が顕著になる。
NTTがフレッツブランドでFTTHとADSLの2本立てでブロードバンド対応を進めた。イー・アクセス・アッカ・ネットワークス・Yahoo!BBなど主要な電気通信事業者も利用可能な地域を拡大した。総務省の発表によると2001年1月の時点では16,194回線だったのが、2001年12月の時点で1,524,348回線になり、2003年12月末には1000万回線を突破した。
2000年後半以降、ISP間でキャッシュバックや料金値下げなどで顧客を争奪する価格競争が発生しISPとADSL回線料金の合計(電話回線の基本料が別途必要)が月額3000円台前後へと低価格化が進み、ゼロ年代のブロードバンド回線の主流となった。当初、電話局から1km以内ぐらいの地域であれば、下り公称帯域1.5Mbps、実効帯域でも1Mbps程度であった。その後、技術の向上により2005年には、電話局から数百Mという好条件であれば、下り帯域は100Mbpsを測定可能な場合があるまでに上昇している。
■衰退と終焉
2006年頃をピークにかつて1500万件以上いたADSLの利用者は、FTTHの普及や携帯電話のインターネット接続の高速化およびWiMAXなどの高速無線インターネット接続の普及に伴って減少に転じ、2006年の後半以降10年以上にわたって連続して四半期ごとに5%程度のペースで一貫して減少を続けており、最盛期の12%程度の195万件(2018年9月末現在)にまで減少している。
固定系ブロードバンドサービスの契約数が3954万件にまで拡大する中で、DSLのシェアは最盛期には75%にまでなったものがもはや4.9%にまで低下している。設備の老朽化と規模の縮小による採算性の悪化から、サービス提供業者の統廃合が進んでいる。最後まで新規受付を継続していた大手のソフトバンクグループも、「Yahoo! BB ADSL」などの各種ADSLサービスについて、新規契約の受付を2019年2月28日で終了することを発表している。
※ADSLの歴史について フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用
月額2,000円からインターネットが使えるADSLは非常にコスパが優れていた
Yahoo!BBのADSLの利用料金はNTTの固定電話を契約しているならモデムのレンタル料金込みで月額2,000円、固定電話なしの場合でも月額3,200円ほど。※価格は税込みで計算
光回線と違ってアナログ電話回線が通っていれば工事不要でネットが使えるようになるという利点も大きく、通信速度は平均下り3Mbpsと遅いが通信が無制限で使い放題なのも地味に良かった。
Yahoo!BB ADSLの初期工事費用(NTTの局内工事含む)は5千円と、光回線の新規設置費用4万円(長期利用で無料になることもあるが)を比較すると安く、コストパフォーマンス自体も非常に高い。
一戸建て住宅の光回線が月額5,000~6,000円することを考えれば、半額程度の料金で使えるADSLが今後は新規契約できなくなるのは残念である。
【まとめ】ADSLの契約は2月28日(木)までに
ADSL回線はNTTのフレッツADSLが2023年1月31日をもって「フレッツ光」提供エリアにおいてサービスの終了が決定していて恐らくYahoo!BBのADSLも同時期に終了する可能性が高いのですが……、逆に言えば2023年頃まではADSL回線が利用できるということなので、もし新規にADSLの契約を考えている方は2019年2月28日(木)までに申込みましょう。
Yahoo!BBでは「さよならADSLキャンペーン」として最後のキャッシュバックキャンペーンを実施。2019年2月28日(木)までに【Yahoo! BB ADSL】に申し込めば1万円のキャッシュバックが受けられます。
ADSLを新規契約できるのは本当にこれが最後になるみたいなので、ADSL回線の申込みを考えている人はお早めに!
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