【個人ブログ】2022年5月12日(木)に発表されたMSCI除外銘柄の1か月後の値動きをまとめてみた

MSCI

2022年5月にMSCIの銘柄入替が発表され、今年は22銘柄が同指数から除外。

MSCI除外銘柄は業績が良い企業でも半年~1年で株価が50%以上下がることがあるので、対象銘柄を取引する際には以下の注意が必要。

■MSCI除外銘柄の特徴

①MSCI除外銘柄は2~3か月で平均20%~30%株価が下落する。
②銘柄によっては株価が50%以上暴落する(半年~1年程度で)
③MSCI除外銘柄は前年より増収・増益・増配でも6か月以上、株価が下がり続ける。
④MSCI除外銘柄は半年~1年以上、年初来安値更新が続くことがある。
⑤MSCI除外銘柄は半年~1年経っても株価が戻らないことが多い。

今回は2022年5月12日(木)にMSCIからの除外が発表された以下の22銘柄のうち、特に動きが気になった6銘柄の1か月後の値動きをまとめてみた。

目次

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2022年5月12日のMSCIで除外された22銘柄の紹介

【4385】メルカリの株価は約6か月で約74.5%の大暴落

フリマアプリで有名なメルカリ(4385)は2020年3月のコロナ特需に乗じて、約1年7か月で株価が約2,000円→約7,300円(+265%)まで上昇したが、2021年11月30日頃から一転して株価が下落トレンドへ突入。年初来高値を更新してからわずか半年で株価が約74.5%下落し、2022年5月25日に1,864円の値をつけ年初来安値を更新した。

当初メリカリは証券会社のMSCI除外予想には載ってなかったが、2022年5月12日にMSCIからの除外が発表された。MSCI除外当日は機関投資家の空売りの買戻しか、前日比で+171円(+8.23)の2,248円で取引を終了したが、その2週間後には1,864円の年初来安値を記録した。

メルカリは5月31日に東証グロース市場からプライム市場への変更を承認され、この時も一時的に株価が+8%ほど上昇したが、MSCI除外から1か月が経過した現在では、コロナショック前の水準である1,950円前後で株価が推移している。

 

■メリカリの株価が短期間で暴落した理由の考察

メリカリの株価が約6か月で約74%以上も大暴落した原因の一番の理由は「米国の利上げ」が大きいと思う。コロナショック後に「コロナ特需」「給付金バブル」で大きく上昇した銘柄たちは、2021年11月に高値を更新すると、2022年に入りずっと下落相場が続いている。

これは米国のグロース株も同じで、利上げによる金利の上昇局面では、株価の価値基準が変わる(金利上昇による将来利益の減少や景気後退懸念等)ため、高PERのグロース株ほど大きく売り込まれるのである。

 

【2651】ローソンの株価は約6か月で21%の下落

三菱商事の子会社でコンビニ業界第3位のローソンは、中国の深センのコンビニチェーン(約200店)を約56億円で買収して中国事業が好調だったり、ローソンの完全子会社である高級スーパー「成城石井(時価総額 約2,000億円)」の新規上場を発表したり、業績はコロナショックから復活して良好なのに株価は2022年に入ってから約21%ほど下落。

2022年4月11日に発表されたローソンの2022年2月期決算(最終決算)では、1株当たりの純利益が約86円→178円と前年の約2倍になっているが、コロナ前の水準であるEPS 200円~255円と比較するとまだ弱いため、MSCI除外から約1か月後に年初来安値を更新するなど、ローソンの株価はさえない展開が続いている。

 

【2331】綜合警備保障(ALSOK)の株価は約6か月で32%の下落

綜合警備保障のALSOKは約6か月で株価が最大32%下落。綜合警備保障は2021年11月のMSCIで除外予想が出たときも株価が一時的に約12.5%ほど下落したが、この時はすぐに株価が値を戻した。

綜合警備保障の業績はこの数年間右肩上がりで、2023年3月期の業績予想もこの5年間で過去最高記録を更新予定、年間配当も2年で72円→86円に増配してるのに、MSCI除外後に株価は年初来安値を更新。

同業他社のセコムは株価を維持しているのに、業績好調な綜合警備保障が年初来安値を連続更新しているのは、MSCIの除外で機関投資家がポートフォリオの保有株を売っているのが、大きく影響していると思われる。

【7453】良品計画の株価は約7か月で約57.2%の暴落

2022年5月12日にMSCIから除外された良品計画(7453)の株価は、2021年9月の高値である2,600円から、2022年4月27日に1,109円の年初来安値を付けるまで約7か月で株価が57.2%暴落した。

良品計画は2022年の業績があまり良いとは言えないので、MSCI除外要因がどこまで株価に影響を与えているのか分かりづらい。MSCI除外の影響期間が株価1,800円→1,100円と仮定するならば、株価の下落率は最大で約38%(約3か月)となる。

【4912】ライオンの株価は約6か月で約35.2%の暴落

この2年間くらいずっと下落トレンドが続いたライオン(4912)の株価は6月~10月頃まで横ばいチャートを形成したあと、2021年11月から再び下落トレンドへ突入。ライオンの株価は2021年11月~2022年4月に年初来安値を更新するまで、約6か月間で株価が35.2%の暴落を記録。同じ消費財化学の花王(4452)と連動して株価が下がっていたのが印象的。

2022年5月10日に発表されたライオンの第1四半期決算はちゃんと増収・増益なのに株価はたったの半年で約35%の暴落。MSCI除外銘柄は企業の業績に関係なく売り込まれる。

 

【3391】ツルハホールディングスの株価は約5か月で約55.4%の暴落

全国で約2,500店舗のドラッグストアを展開するツルハホールディングスの株価は、2021年11月頃に14,000円前後の値を付けたあと、約5か月ほどで6,500円前後(下落率は約55.4%)にまで株価が下落。

コロナ特需で2020年~2021年にかけて株価が好調だったウエルシアやコスモス薬品など、他のドラッグストアも軒並み株価が下落しており、ツルハは2020年6月21日の決算発表年間配当を167円→233円(約40%増)の大幅増配を発表した翌日は株価が+520円(+8.04%)上昇しているが、これがトレンド転換のきっかけになるかは不透明。

 

【まとめ】MSCIに採用されている銘柄は買わないほうがいい

■2022年5月にMSCIから除外された銘柄の値動きをまとめてみると

①2021年11月頃から株価が下落し始めた銘柄が多い。
②株価の下落率は約6か月で30%~50%前後。
③一番下落率が高かったのがメリカリの約6か月で約−74.5%。
④今回は4月中旬頃にいったん底打ちする銘柄が多く、5月12日のMSCI除外発表当日は材料出尽くしの買戻しか、株価が上がる銘柄が多かった印象。
⑤MSCIの除外後に株価が+20%以上上昇したのは東洋水産(22社/1社)くらい
⑥他の銘柄は年初来安値から+10%前後上がればいいほう(4月~6月の値動き)

 

2022年上半期(1月~6月)はNYダウが半年で20%前後下落するなど、米国の利上げ相場やインフレ懸念(ウクライナ戦争含む)で株式市場が大きく下げた影響か、5月12日のMSCI除外では約3分の1の会社に相当する22社/7社の株価が約6か月で45%~55%以上暴落するなど、50%以上暴落する銘柄がいつもより多かった気がする。

■2022年5月のMSCI除外で株価が大きく下がった銘柄一覧

メルカリ(4385)、ベネフィット・ワン(2412)、関西ペイント(4613)、住友ファーマ(4506)、三浦工業(6005)、良品計画(7453)、ツルハホールディングス(3391)、この7社は約6か月で株価が45%~74%前後下落した。

米国株は『給付金バブル』で株価が上がり過ぎた反動ではあるんだけど、利上げ相場でメリカリとか日本のグロース株もその下落に連動。

通常の相場であれば株価が50%以上下がる銘柄は多くて5分の1くらいなので、MSCI除外銘柄のなかにコロナ特需で2020年~2021年にかけて大きく値上がりした銘柄が多かったのも要因の一つと思われる。

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