NTTドコモの最大4割値下げは本当なのか?新料金プラン「ギガホ」と「ギガライト」について考察

NTTドコモ

数年前から国民の関心を集めている携帯電話料金の値下げ問題

 

総務省の一声による端末の0円販売禁止や高額キャッシュの規制は料金の値下げを促すどころか、端末価格の上昇、4年縛りの登場など逆に利用者負担が増加。そしてそれを受けて去年の10月には官房長官が「携帯電話料金4割値下げ」に言及して携帯電話業界に圧力を掛けるという異例の事態にまで発展。

 

そんなある意味で社会問題になりつつ携帯電話業界の歪みを是正できるのか注目される、NTTドコモの新料金プランが4月15日(月)ついに発表。

 

本当に携帯電話料金は4割値下げになっているのか?ざっくりとNTTドコモの新料金プランについて見ていきます。

目次

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最大4割値下げは本当なのか?NTTドコモの新料金プランを検証

まだまだ情報不足な点があるのですが、NTTドコモが2019年4月15日(月曜日)に発表した新料金プランの内容を簡単にまとめるとこんな感じ。

■大容量プランは一応値下げになっている。

■データ通信部分は変わらないが通話基本料が約1,300円の値下げになっている。

■家族で複数回線契約すれば結構安くなりそう?

■ただし家族割りを最大限利用するためには家族全員が新料金プランに移行しないといけないので面倒。

■2年縛りの内容は今までと変わらない。

■最大4割値下げの恩恵を受けられるのは一部の限られたユーザーのみ。

■docomo withや月々サポートの受付は5月31日で終了。

■最終的に安くなるかは端末価格次第。

 

まずは「ギガホ」と「ギガライト」プランについての解説から

今回、大手携帯電話会社のNTTドコモが新しく提供を開始するのが「ギガホ」と「ギガライト」の2つの料金プラン。両者の特徴をまとめるなら「ギガホ」はデータ通信が30GBの大容量プラン。ギガライトは1GB~7GBまでの従量制プランとなります。

■ギガホは月のデータ通信量が最大30GBの大容量プラン

ギガホプランの特徴としては旧料金プランのウルトラデータパック(30GB)が月額8,000円なのに対し、新プランのギガホは月額6,980円の約1,020円の値下げになるので、これまでNTTドコモの20~30GBプラン(旧プラン)を使ってきたユーザーにとっては料金が安くなる。

また、月のデータ容量の上限を使い切ってしまったとしても最大1Mbpsの速度で通信できるのが新しい(これまでは128kbps制限だった)

 

これは楽天モバイル(MVNO)のスーパーホーダイのパクリだけど、高速な5Gサービスがスタート2020年以降、これからの携帯電話業界の速度制限はこの1Mbpsが基準になっていくかもしれない。

 

NTTドコモのギガホはソフトバンクの大容量プラン「ギガモンスター(50GB/月額5,980円)」と比較すると割高なのだが、速度制限に引掛かっても1Mbpsで通信できる点をどうとらえるか?これによって利用者の意見が分かれる。

 

旧ウルトラデータパックでNTTドコモ契約しているユーザーは「ギガホ」プランに乗り換えた方がお得かもしれない。

■ギガライトは料金が階段制のデータ従量制プラン

いっぽうでギガライトプランは一般ユーザー向けの基本プランで、料金に関しては旧プランとほぼ一緒(±20~80円)、ここら辺はauやソフトバンクが提供しているプランと(料金設定も)似たような感じなのであまり語ることがない。

 

ただ30GBのギガホが月額6,980円で使えるのに対し、ギガライトは7GBで月額5,980円と料金が割高。この金額を取るなら5GB以降のデータ通信量は上限20GBに設定すべきだったと思う。

 

新料金プランの「ギガホ」「ギガライト」は本当に4割の値下げになっているのか?

年々増加傾向にある「携帯電話料金の4割値下げ」を実現するにあたって注目すべきポイントは3つあり、新料金プランの主な値下げポイントは「①基本通話オプションの値下げ」「②みんなドコモ割」「③光回線のセット割り」の3つになります。

 

新料金プランは「基本通話オプション」が最大1,300円の値下げ

今回の値下げで一般利用者に一番大きく影響を与えそうなのがこの通話オプションの値下げ。

旧料金プランのベーシックパックでは通話オプションなし(月額980円)、5分かけ放題(月額1,700円)、24時間かけ放題(月額2,700円)の基本料金が発生していたのだが、「ギガホ」「ギガライト」ではこれが約1,000円値下げの通話オプションなし0円(電話した時間に応じて通話料金が発生する)、5分通話無料(月額700円)、24時間かけ放題(月額1,700円)になりました。

 

そして、これにインターネット接続料の月額300円も廃止になっているので、新料金プランでは旧ベーシックパックと比較して合計で月々1,300円(税込み/1,404円)の値下げになっています。

複数回線契約で最大1,000円割引きの「みんなドコモ割」

→NTTドコモ公式ホームページ「みんなドコモ割」

 

新料金プランでもう一つ注目の割引きサービスが複数回線契約で月額料金が最大1,000円(税込み/1080円)割引きになる「みんなドコモ割(ファミリー割引)」です。

 

このみんなドコモ割は三親等以内の親族であれば同居・別居を問わず「ギガホ」「ギガライト」の回線契約数に応じて月々500円から1,000円の割引きになります。

 

例えば家族二人(2回線契約)がギガホ/ギガライトを契約していればそれぞれ料金から月々500円の割引き、家族三人(3回線契約以上)ならそれぞれ月々1,000円の割引きと、NTTドコモの回線を複数契約していれば自動で適用される割引きになります。

 

月額料金が毎月1,000円割引きになるドコモ光セット割り

新料金プラン3つ目の値引きサービスが、NTTドコモが提供する光回線「ドコモ光」とのセット割りです。

この光回線とのセット割りでは「ギガホ」「ギガライト」プランと「ドコモ光(光回線)」を組み合わせることで、家族全員の月額料金が最大1,000円(税込み/1080円)引き。しかもこの割引きは離れて暮らす親族まで最大20回線適用されるみたいなのでかなりお得。

 

先ほど紹介した「みんなドコモ割り」と併用すれば月額料金が最大2,000円(税込み/2,160円)引き。そして通話オプションの値下げも含めると合計で3,300円(税込み/3,564円)分の値下げになっているのです。

「月々サポート」「端末購入サポート」の廃止で値上げになる部分

一方で新料金プランの「ギガホ」「ギガライト」プランではこれまでNTTドコモが提供してきた端末購入の補助制度「月々サポート」や「端末購入サポート」が利用できなくなるので、この部分が値上がり部分になってきます。

 

値上がりする料金は購入する端末や契約内容によって違ってくるのですが……

 

■iPhone XSを契約購入する場合

例えば2018年9月発売のiPhone XS(64GBモデル)を契約する場合、旧プランでは月々サポート(端末購入補助)が使えたので月々5,373円-2,457円=実質 2,916円(24回払い総額 69,984円)で購入することができたのですが

「ギガホ」「ギガライト」プランではこの月々サポートが適用されなくなるので月々2,457円分の値上げ。

 

つまり具体的な値引き金額で見てみると

 

新料金プランの値下げ部分が「みんなドコモ割り(1,080円)」+「光セット割り(1,080円)」+「通話オプション+ネット接続料の値下げ(1,404円)」=3,564円だが

 

ここから月々サポート廃止分の2,457円を差し引いた月々1,107円(税込み)が本当の値下げ部分で、逆に「みんなドコモ割り」や「光回線のセット割り」が利用できないユーザーは料金が上がるケースも出てくるのです。

 

新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」に変更すると料金が高くなるケース

テレビや新聞のニュースでは「NTTドコモの新料金が最大4割の値下げ!」大々的に報じて持ち上げていますが、実は従来のプランと比較して料金が本当に安くなるユーザーは家族割り(みんなドコモ割)や光回線とのセット割りをフル活用できるごく一部のユーザーに限られており、実際には月々サポートや端末購入サポートの廃止で逆に料金が高くなる可能性も指摘されています。

iPhone XSを契約した場合の新旧料金比較

例えばNTTドコモでiPhone XS(64GB)モデルを購入する場合、旧プランなら5分かけ放題+月のデータ通信量3GBなら月々サポートの適用で月額9,396円(税込)でiPhone XSを契約することができたのですが

 

新料金プランの「ギガライト」で同じプランを組もうとすると、みんなドコモ割(家族割)を利用できない場合の支払額は月額10,427円(税込み)、ドコモ割を活用したとしても回線が2回線なら割引額が月540円なので月額9,887円(税込み)と、実は料金が安くなるどころか単身世帯では逆に高くなる可能性があるのです。

 

単身契約の場合、月々サポートの-2,457円(iPhone XS購入時)がなくなるのに対し基本料金部分の値下げが1,404円なので月1,053円の負担増。

 

【計算パターン①「単身契約(1回線のみ)」】

■旧プラン→端末代 5,373円+カケホライト1,836円+データ通信3GB 4,320円+ネット接続料 324円-月々サポート 2,457円=月額9,396円(税込み)

■新プラン→端末代 5,373円+ギガライト 5,054円(3GB)=月額10,427円(税込み)月々1,053円ほど高くなる。

 

※NTTドコモが何か単身者向けに端末の値引き政策を実施しない限りは、特に最新機種を購入するようなユーザーは以前よりも支払い料金が高くなる可能性が大きくでてきた。

【追記】一応NTTドコモでは各種割引きがあまり適用されないユーザー向けに、新プランの提供が開始される6月1日以降に何らかの端末購入サポートを検討すると言っているので、実際にはもう少し料金は安くなるはずですが、現在のプランと比較して「ギガホ」「ギガライト」プランに乗り換えた方がお得なのか慎重に検討する必要があります。

 

【まとめ】めちゃくちゃ期待外れだったNTTドコモの新料金プラン

■新プランで以前よりも料金を安くするためには「3回線以上」+「ドコモ光」の契約が必須

従来のプランよりも料金を安くするためには3回線以上「ギガホ」「ギガライト」を契約して尚且つ同社が提供する光回線「ドコモ光」を契約することが必須となっており、この条件に当てはまらないユーザーは料金が前と変わらずか、逆に高くなる可能性があります。

 

■新料金プランに乗り換えた方がお得になりそうな人

・月々サポートや端末購入サポートが終了している人

・NTTドコモの20~30GBプラン(旧大容量プラン)を契約している人

・「ギガホ」「ギガライト」を合計で3回線以上+光回線を契約できる人

 

■現状のプランを継続した方がいい人

・月々サポートや端末サポートがまだ終了していない人

・データシェアパックを利用していて家族でパケット(データ通信)を分け合ってる人

・docomo withを契約しているユーザーはそのまま継続した方がいい

・単身契約の場合も現状のプランを継続した方がいい

 

最終的に新料金プランの方が安くなるかはNTTドコモが提供する端末の販売価格次第になりますが、新料金プランへ乗り換える目安としては「大容量プランの契約者」「3回線以上+ドコモ光の契約」「端末の24回払いが終了している人」などで、それ以外のユーザーは現状のプランを続けた方が無難。

 

去年から通信業界を騒がせてきた「携帯電話料金4割の値下げ騒動」は、蓋を開けてみれば料金は殆ど変わらないという、ある意味で予想通り期待外れの結果となってしまいました。

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